R.シュトラウスの歌曲「密やかな誘い」「慕わしげな幻影」

今年のデュオ・リサイタルが近づいてきました。今年は、僕が歌う曲はR.シュトラウスの歌曲のみ。大好きなこの作曲家の曲をこれだけまとめて歌えるのだし、少しサイトでも前もって別のアプローチをしようかと思っていました。
結局時間がなかなか取れずに今になってしまいましたが、これから本番までの約2週間の間に、出来る範囲で曲目の解説をかねて、プログラムへの思い込みなどを先月に歌ったゲラでの歌曲の夕べの演奏サウンドも交えて少し語ろうかと思います。第一回の今回は、プログラムの第一曲目「Heimliche Aufforderung」〜密やかな誘い〜と、「Freundliche Vision」〜慕わしげな幻影〜です。

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ゲラでのリーダーアーベント


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いやぁ終わりました。ゲラのコンサートホール・フォワイエでの歌曲の夕べ。R.シュトラウスの歌曲を22曲歌ってきました。この22曲はすべて、夏のデュオ・リサイタルで歌う曲目です。このコンサートは劇場後援会からの依頼で行ったチャリティーコンサートです。このコンサートホール・フォワイエの壁に掛かっている絵の修復費用を集めているそうです。こうして歌曲の夕べをやって欲しいと劇場後援会から依頼が来るのは、いつも僕になんだけれど、ドイツ人歌手にでなく日本人の僕にドイツ歌曲のコンサートをやって欲しいと言ってもらえるのは大変名誉なことです。本当にありがたいことだと思っています。
学生の時からずっと歌ってきたR.シュトラウスの歌曲ですが、ある種感慨深いことがあったのでエッセイとして書いてます。

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レッスンとセッション

ロンドンももう7日目だ。明日はゲラに戻ります。スタンステッドからライプツィヒに飛んで、空港に置いてある車を運転して、ゲラに着いたら多分日付は変わっているでしょう。
昨日まで5回、合計9時間のセッションがありました。いつもの事ながら、本当に来て良かったと思ってます。日本で歌うヴォータンも一通りやったし、あとイタリアオペラのレパートリー、ドイツ歌曲・・・夏のデュオ・リサイタルの曲目・・・も技術的にチェックすることが出来ました。
今日はレッスンがもう無い日なので、少しゆっくり寝て、今はスターバックスでこれを書いております。さっきまで、夏にデュオ・リサイタルで歌う曲目の移調譜を作っておりました・・・。もう3ヶ月無いのにね。容子さん、遅くなってごめんよ。でも移調譜が出来ていないのはこの一曲だけです。後はもう作ってある。

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オペラ「コジマ」のプレミエを終えて

久しぶりの現代音楽、しかも委嘱初演でした。大変でしたが、得るものは本当に大きかった。
ずっと日記も書けませんでした。終わってからやっと劇場の仕事が落ち着いたので、たまっていた別の仕事に取りかからなければいけなかったこともありますが、すこし気が抜けてしまった感じです。
この作品のことは、ちょっときちんと書きたいので、ざっと日記で通り過ぎるだけになるのは残念と思い、時間を取ってエッセイとして書くことにしました。
批評も多く出ましたが、これは改めてご紹介することにします。

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立ち稽古での事故

・・・なんだか、こう書くと大げさな感じもするんだけど、新作オペラ「コジマ」の立ち稽古中に怪我をしました。大きな怪我じゃありません。でも、この怪我のことでちょっと色々考えたことがあったので書いてみます。
結構色々な要素がからんでくる問題で、僕にとっては微妙で、でも大切な問題です。
 
ここのところ、稽古が毎日朝、夜、朝、夜、とつまっている上に、夏の東京でのデュオ・リサイタルの準備とか、月末の健登の誕生日の準備とか、いろいろあって、全然日記を書くどころじゃなかった。だいぶ空いちゃいましたね。すいません。

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Scarpia -Tosca-

久しぶりのエッセイです。何年かぶりじゃないだろうか・・・なんだか書くのも緊張しちゃいますが・・・。長い文章になりそうなので、日記でない形で書いてみようと思い立ちました。

このプッチーニのオペラ「トスカ」は言うまでもなく、名作中の名作で、世界中のオペラハウスで繰り返し上演されているヒット作でもあります。と同時に、主役3役はどれをとっても音楽的、また芝居的にも難易度が高く、キャスティングをするのは難しいオペラでもあります。声楽的には3役とも大変ドラマティックで、細い声の歌手では務まりません。逆に言えば「歌手冥利に尽きる役」でもあるわけです。

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ドイツ・ヴァルドルフ学校連盟理事、シラー氏の講演

 (2006.2.22の日記より転載)
昨日、ゲラのヴァルドルフ小学校設立運動の一環で、シュトゥットガルトからヘルトヴィヒ・シラー氏を招いて講演がありました。シラー氏は、ドイツのヴァルドルフ教育関係者だったら知らないものはいない有名人であります。シュトゥットガルトにはヴァルドルフ学校連盟の本部がありますが、シラー氏はここの理事をされている人で、僕はドイツのヴァルドルフ学校のトップにいる人だと理解していたんだけど、昨日はちゃんと肩書きを言わなかったなぁ。学校の設立に関してはとりわけ重要な人物らしく、今のゲラの設立運動ににとっては最重要人物といっても良いですね。

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シラーの詩、シューベルトの「希望」、エンデの「モモ」

僕は割とシューベルトの作品が苦手で、実は人前で今までほとんど歌っていません。大好きなんですけどね。聴くのは好きだし、歌うのも好きでよく練習しているんですが、演奏会でお聴かせするところまで行かないんです。

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伝統的クリスマスケーキ

昨年のクリスマス、僕らは劇場の前で家族3人そろって写真を撮り、それをクリスマスカードにして送りました。友人の一人、劇場のテノールのギュンター・マルクヴァルト氏はこのクリスマスカードへの返事として「伝統的クリスマスケーキ」のレシピを送ってくれました。

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