リカルド・タムラ氏 プロフィール

リカルド・タムラ(テノール)
ブラジル出身のテノール歌手リカルド•タムラは、これまでにオペラ、オペレッタ、ミュージカルにおいて50以上の様々な役を演じ、”高音に抜群の安定感のあるテノール歌手”として高い評価を得ている。ロドルフォ、ピンカートン、デ•グリュー、カヴァラドッシ、ラダメス、カラフ、オテロ役等をレパートリーに持つ。19歳で声楽を始め、サンパウロ大学では地質学と物理を専攻したものの、ソプラノ歌手リチア•アルバネーゼの勧めにより、ニューヨークのジュリアード音楽院にてマリーナ•マラスに声楽を師事する。さらにブッセートのヴェルディ音楽院ではテノール歌手カルロ•ベルゴンツィの元でヴェルディとプッチーニのオペラ作品を専門に学び、シエナのキジアーナ音楽院やチューリッヒ歌劇場インターナショナル•オペラ•スタジオでも研鑽を積む。その後、ドイツのカッセルにて、オペレッタ『青い仮面』のアルマンド•チェリーニ役でオペラデビューを果たす。2005年には、ドレスデンのゼンパー•オーパーにてWDR(西部ドイツ放送協会)交響楽団の共に公演されたアルフレド•ケイルのオペラ『セラーナ』がラジオ放送され、2006年にはヘンツェの『不思議な劇場<完全版>』のCDをリリースした。
2007-2008年シーズンには、グノー『ファウスト』のタイトルロールでニュルンベルグ州立歌劇場にデビューし、その後同劇場でヴェルディの『ドン•カルロ』に出演した。またデュッセルドルフのデュイスブルク歌劇場では『カルメン』のドン•ホセ、ウィーン•フォルクス•オーパーでは『トゥーランドット』のカラフ役を歌い大絶賛を浴びた。2008年には日本(父側の祖父母の生まれ故郷)にて、名古屋フィルハーモニー交響楽団主催プッチーニ生誕150周年記念コンサートに出演した他、ニュルンベルグのルイトポイトハインでは、6万人の観客を前に開催された野外コンサートで演奏を披露した。2009-2010年シーズンには、ハノーファー州立オペラ座においてドン•ホセとロドルフォ役、ゲルゼン•キルヒェン音楽歌劇場でデ•グリューとバッカス役、ゲーラで開催された国際オペラフェスティバルではバッカス役を演じ大成功を収める。またアレーナ•ディ•ヴェローナ野外オペラ祭では、『アイーダ』のラダメス役でイタリアデビューを果たした。2012年にはメトロポリタン歌劇場にて『ドン•カルロ』と『仮面舞踏会』で代役を務め、2013年には『トスカ』のカバラドッシ役を歌い、同劇場で正式デビューを飾る。その後、メトロポリタン歌劇場においては、2015年に『ドン•カルロ』のタイトルロールを演じ、2016年には『カヴァレリア•ルスティカーナ』のトゥリッドゥ役での出演が決定している。
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歌は国境を越えて

2015年10月2日19:15開演
『歌は国境を越えて』
  トリオコンサート ドミニク・ホップを迎えて
ゆめりあホール 
(ゆめりあホールアクセスはこちら
本公演チラシはこちら
メゾソプラノ 田辺いづみ
テノール   ドミニク・ホップ
ピアノ    浦野留女
予てよりお世話になっているミュンへン在住のピアニスト浦野留女さんのコンサートのお知らせです。
昨夏、ドイツの Bad Toelz にて公演し好評だったコンサートを日本で再演する運びとなりました。
「歌は国境を越えて」というタイトルで、日本語、ドイツ語、イタリア語、フランス語、
英語、スペイン語と、全部で6カ国の曲を演奏します。
全席自由 ¥3.500-
チケット問い合わせ
田辺いづみ izumioritanabe@jcom.home.ne.jp
小林美香  mika-k-vn@ba2.so-net.ne.jp

ニュースレター会員限定イベント

当サイトのニュースレター(リンクはこちら)の会員限定のイベントを開催します。
2014年7月12日(土) 午後14時開始予定
サロン・フェリーチェ(リンクはこちら)
目黒線洗足駅徒歩3分
会費:¥5000(ドリンク・軽食付き)
先着30名
コンサートやオペラでの、ステージと客席のしきりを取り払い、このイベントでは、NL(ニュースレター)会員の皆さんと、飲み物やおしゃべりとともに、ミュージカルナンバーなども交えて、楽しい時間を過ごしたいと思います。
舞台裏のエピソードなど、普段は触れる機会の少ない話題も取り上げていきたいです。
このイベントに興味をお持ちの方でまだニュースレター会員でない方は、是非この機会にお申し込み下さい。
ニュースレター申込ページ

門下生の発表会

門下生の発表会を行います。殆どは東京音楽大学の学生で、プライベートの生徒も参加します。
 
興味がおありの方はどうぞ。入場無料です。

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東京賢治シュタイナー学校のチャリティーコンサート、無事に終了


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東京賢治シュタイナー学校における、「うたとピアノのチャリティーコンサート」無事に終えることがで来ました。お運び下さった皆さん、ありがとうございました。
東京賢治シュタイナー学校の公式ブログの記事へのリンク
小森の長男の通う「東京賢治シュタイナー学校」の、年度替わりの教室移動の作業を親でやっているときの事です。昼ご飯を食べながら「この床、もうちょっと綺麗にしたいね・・・」と一人の親がつぶやいたところから、このコンサートの始まりました。

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大変な盛況で、学校のブログ記事にもありますが、学校関係の方のお申し込みはお断りして「次回に是非!」とお願いせねばならないような状況でした。申し訳なかったです。
認定NPOとなるために、3000円以上の寄付を100口、2年以上にわたって集めなければなりません。認定NPOとなると、頂いた寄付が非課税となり、寄付を下さる皆さんに税金の負担をかけずに済む様になります。その1年目の寄付のノルマである100口のうちの90口を今回のコンサートで集めることがで来ました。

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子ども達もすごく集中して聴いてくれて、今日学校から帰ってきた息子に聞いたら、7年生の子ども達の一番人気は「死んだ男の残したものは」だったそうで、これは意外でした。
できたら今年の秋にもう第二弾をやりたいと思って話を進めています。また決まったらお知らせしたいと思います。

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日本への帰国のお知らせ

いつも僕のホームページを見て下さっているみなさまへの大切なご報告をしたいと思います。
 
今までゲラの劇場で12年間の長きにわたって歌ってきました。ベルリンでの留学時代をあわせるとドイツでの生活は17年になります。そして今、このシーズンを最後にしてゲラの劇場での仕事を終え、故郷の日本へ帰国することにいたしました。シーズンの終わりにあたり、この公式サイトをご覧のみなさまにご報告させて頂きます。
 
僕にとって、ドイツの劇場の専属歌手になることは、高校の時に声楽を始めて以来の夢でした。岡村喬生さんの「ヒゲのオタマジャクシ世界を泳ぐ」という著作を読んで以来、ドイツ独自のレパートリーシステムの中に身を置き、同じ小屋で、同じ同僚とチームを組み、「おらが街の歌手」を誇りに思う聴衆の皆さんの前で歌い続けること、あたかも劇場に「住んで」いるような感覚で仕事をすることに憧れ、それを目指して学んできました。
ですから、この12年間は本当に僕にとって幸せな、豊かな年月でした。困難がなかったわけではありませんが、それらの困難を経験として与えられたことも含めて、本当に恵まれた12年だったと思っています。この場所に自分を運んでくれた家族、友人や同僚、聴衆の皆さんに心から感謝しています。そして折々で流れを変えたり速めたりした様々な「偶然」の力にも。
 
しかし僕は初めから、ドイツで歌手人生を全うするのではなく、いつかは日本を中心に活動したいと思っていました。つまり僕にとってのドイツ生活は修行の場であり、ドイツのマイスター制度で言うと「徒弟時代」にあたると考えておりました。そして何年か前からはっきりと単なる学びの時期を締めくくって次のステップに進むべき時が来た事を感じており、どういう形でそれを行うべきか模索を続けてまいりました。
 
一つは、年齢と共に自分が担う責任の重さが変化してきたことがあります。以前は表現者としてひたすら自分の仕事にのみ集中していれば良かったのですが、今はそれだけでは足りないと感じるようになったのです。今ではゲラの劇場のソリスト陣の中で最年長、契約年数も最長となりました。演奏の質という点ではもちろんですが、稽古を含む劇場生活の中で、演奏の質以外の部分でも相応の質の高さ、責任を果たすことを義務づけられたように思います。「学び」を自分の中心と考える時期にはピリオドを打たなくてはいけない、と言う思いです。
 
また、劇場の専属契約によってゲラ市を頻繁に離れることが難しく、せっかく頂いた他の劇場や日本からのオファーの多くを断らざるを得ない状況がありました。その中には本当に素晴らしい質の高いプロダクションが多くあり、今後こういう芸術的水準の高いプロダクションを諦めないで済む状況に身を置きたいと切実に思わされました。そして家族のこと、その他のもろもろの事情を考慮し、熟慮を重ねて今年の秋に日本に帰国することを決断いたしました。宮廷歌手の称号を頂いたのはもう帰国の決断をした後でしたが、僕にとっては「修業時代」の終わりを象徴的に感じさせてくれる出来事でした。
我が劇場の当時のインテンダント(総裁)オルダーグ氏に、契約を打ち切って日本に帰ることを伝えたときは、ありがたいことに強く慰留されました。しかし、僕の気持ちや、これが長年考えていた事なのだと言うことを説明して理解してもらいました。
 
春には劇場後援会と劇場がお別れコンサートを企画してくれました。日本でのデュオ・リサイタルでいつもペアを組んでいるピアニストの服部容子さんがこのお別れコンサートでの演奏を快く引き受けてくれ、このコンサートのためにドイツまで飛んできてくれました。ゲラ市立歌劇場での二回のコンサートの他、ヴァイマールのシュタイナー・ハウスでもお別れコンサートを行い、音楽を通じてお別れのメッセージを伝えました。シューベルトの「美しき水車小屋の娘」による歌曲の夕べと、今まで歌ってきた役のアリアを中心としたアリアの夕べを行いましたが、最後のアリアの夕べでは満場の観客によるスタンディング・オベーションとなり、ゲラの劇場の聴衆の愛情を強く感じました。
 
同じ顔ぶれ、同じプログラムのシューベルトの「美しき水車小屋の娘」を2012年12月のデュオ・リサイタルで取り上げることもあり、デュオ・リサイタルVol.8はこのお別れコンサートとリンクして提携公演とすることとなり、お別れコンサートのプログラム冊子にも取り上げられています。このプログラム冊子は後援会がこの12年間の僕の活動を総括してくれたもので、またこのサイトでもご紹介したいと思っています。シーズン最後の「テアターオスカー」授与式では、思いがけず五度目の劇場オスカーとなる「Ehren-Oscar(名誉オスカー)」を受賞し、最後のシーズンを締めくくることが出来ました。
 
日本に戻ってからは、ありがたいことに多くのやりがいのあるプロダクションが待ってくれています。2013年には1月に新国立劇場の「タンホイザー」ビーテロルフ役、5月に東京二期会の「マクベス」タイトルロール、12月には宮城県民会館でのオペラ「遠い帆」で主人公の支倉常長があります。主催者の都合でまだ詳細を発表できませんが、その他にもいくつか、バリトン冥利に尽きる役を歌わせていただく予定です。
 
これからは日本での活動がほとんどとなり、皆さんと舞台でお会い出来る機会は飛躍的に増えると思います。
以前、「テューリンゲンの森から」というこのホームページのタイトルは、日本に帰国した際には変更せざるを得ないだろうと思っていました。しかし今は、その考えをあらためました。テューリンゲンは僕の第二の故郷であり、この12年間を通じてテューリンゲンの劇場文化は僕の一部となりました。このホームページのタイトルは、このまま大切に使わせてもらおうと思っています。
 
長い間のドイツ生活の中、皆さんの応援にどんなに励まされたかわかりません。心から皆さんの声援にお礼を申し上げると同時に、今後の日本での活動を暖かくお見守り下さるよう、お願い申し上げます。
 
 
小森輝彦
 
 
 
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「帰国についての新聞記事(2011年10月)」

署名運動の成果と追加援助について

劇場を救うための署名運動へご理解とご協力、ありがとうございます。表紙ページでもお知らせしたとおり、昨日、署名の数が10000人を超えました。
 
まだ署名運動は続いていますが、状況にも大きな前進がありました。劇場のスポンサーである自治体(ゲラ市、アルテンブルク市、アルテンブルク近郊、テューリンゲン州)の代表者と劇場運営陣が話し合いを重ねた結果、さらに116万ユーロの追加援助が決まったのです。
 
これも予想を超えて集まっている署名が政治家の関心をひいたことが大きく影響しています。署名をして下さった皆さん、本当にありがとうございました。署名運動は6月4日(月)まで受け付けています。署名運動についてはこちらをご覧下さい。
本来足りないのは200万ユーロなのですが、追加援助によって2013年から新たに取り交わされる予定の契約で、賃金水準がいまよりは下がらないですむことになりそうです。
ドイツでは劇場の標準的な契約条件を資金的に満たせない場合、Haustarifvertragという、その劇場独自の契約を組み直すことになります。色々なやり方があるようですが、大体の場合はリストラによって劇場の機能が落ちることを避けるために、一人一人の従業員の賃金をカットすることによって資金難をカバーするやり方です。
 
いままで2回締結された我が劇場でのHTV(Haustarifvertrag)では、劇場従業員が全員納得して、リストラを避けるために自らの賃金カットを受け入れました。これによって現在の我が劇場の賃金水準は、ドイツの標準レベルに比べて7%低くなっています。
そして、2013年にもう一度HTVによって劇場の構造を維持しようとすると、賃金レベルがさらに7%さがり、標準レベルに比べて14%低くなる予定でした。
賃金は低い、でも自治体にアピールするためにも劇場の活動を縮小はしたくない、というジレンマで、恒常的なオーバーワークに追われてきたと思います。
 
今回の116万ユーロ(約1億1900万円)の追加援助によって賃金レベルがいまの「標準-7%」に留まることで、リストラに舵を切ることなく、HTVを締結する方向に行くと思いますが、これも十分ではありません。運動はまだ続きます。
 
流れとしては、政治側から見ると、2013年に一度リストラをして劇場の規模を小さくしておけば、その後に劇場を閉鎖することはよりたやすくなるわけです。それを評していまの劇場総裁は「劇場の死の始まりだ」とインタビューで述べました。
 
これはゲラのみならず、ドイツ全土で起こっている傾向で、数日前にもアイゼナハの劇場の署名運動のニュースが入ってきました。今回のゲラでの署名運動や劇場のデモ運動、市民への呼びかけを通じて、こうしたポジティブな結果に結びついたという事実は、ドイツ全土に広がっている文化予算削減に対抗している文化人にとって大きな朗報だと思います。
 
我々の劇場では、この問題が持ち上がって以来、公演の終了後にカーテンコールの時に時間を頂いて、我々の運動への参加を聴衆の皆さんにお願いしてきました。そして、その中でも言っているのですが、この運動はドイツ文化を守るためでもあるが、聴衆の皆さんの子供、そして孫の世代まで劇場で生の文化に触れる機会を残していくための戦いでもあるのです。だから、いま問題になっている次の4年間を何とかする戦いではなく、その10年後20年後にも、子供達が劇場で芸術に触れる機会を確保するための運動なのだ、と。
 
こんなに多くの劇場が中都市にも残っているのは、ヨーロッパでもドイツだけです。逆に言えば、それだけいままでは恵まれていた、と言う事でもあります。日本とは違う土壌で、そういう意味でも色々と考えさせられます。
ドイツ音楽が生まれた背景に欠かせなかった、豊かなドイツの音楽風土はこういう劇場文化に支えられています。ドイツ音楽を愛する日本人はそういう間接的な意味でもこのドイツの劇場文化の恩恵を被っているように思います。今後も出来る形で応援していきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。 

署名のお願い

僕の所属するアルテンブルク・ゲラの劇場が、州や市の援助が減らされる危険にさらされています。
2013年から2016年のスポンサー(市と州)との契約が今年になってから更新されましたが、その金額では大規模のリストラ、あるいは大幅な賃金カットが不可欠となります。
今、その判断を覆すための署名運動が展開されています。お手数とは思いますが、リンク先の署名運動に参加していただけたらとても嬉しいです!
署名ページのリンク
残念ながら署名ページはドイツ語のみでちょっとわかりにくいかも知れません。一応説明させて頂きますと:
Vollständiger Name:  ローマ字でフルネームを
Postleitzahl und Ort:  郵便番号と都市名
Straße und Nr.:     住所
下のポップアップから国名を選択できます。
また「Nicht Öffentlich unterschreiben」にチェックをすると、匿名で署名運動に参加できます。
どうぞよろしくお願いします!