やっと春が来た

ついにドイツにも春が来ました。春が来るといきなりみんなばんばん服を脱ぎ捨てちゃうあたり、春を飛び越して夏になってしまった感じがいつもするんだけど、これがドイツの春なんでしょうね。劇場の隣のKuechengartenでも、薄着になってひなたぼっこしている人が沢山いました。健登と公園に行く途中に撮った写真です。花も植えられていて、様子が一変しますね。だって、2週間くらい前は雪が降っていたんだから。(このページの下の方に写真がありますでしょ)
いつも思うことだけど、この春への憧れが沢山の芸術を産んだんですよね。ドイツの「春」をテーマにした作品はたくさんあります。この5月にくる、ま...

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不調でのオランダ人本番

いやぁ、昨日はまいりました。

アルテンブルクで、オランダ人の本番だったのですが、気管の炎症がとれていなくて。最初に不調であることをアナウンスしてもらった上で歌いました。

以前にも、「ドン・ジョヴァンニ」や「ランメルモールのルチア」の本番で、やはりこの気管の炎症が治らないままに歌ったことはありました。僕が今までに唯一キャンセルした公演であるリゴレットもこの咳のためのキャンセルでした。この気管の炎症というのは、いちど始まってしまうと長引くのですね。熱や声帯の炎症自体はすぐに引くんだけれど。学生の時にこの気管の炎症に1ヶ月以上悩まされたことがありました。“不調でのオランダ人本番” の続きを読む

「フィレンツェの悲劇」プレミエを終えて

一昨日の金曜日に、「フィレンツェの悲劇」、「ジャンニ・スキッキ」のプレミエがありました。何度か書いたとおり、今回のプロダクションは演出家の都合で稽古が大変少なくて(立ち稽古5回!)大変だったのですが、最終的には良い舞台を作れたと思います。
かなり暴力的な演出なので、お客様はちょっとびっくりしたようでした。テノールは流血するし、ソプラノはビンでバリトンの頭割るし。この作品はあまり知られていないので、来る前にこういうものだと知ってくる人はほとんどいないでしょうしね。
一転してジャンニ・スキッキは大爆笑を誘っていました。結構、これはドイツ人が好きそうなブラックジョークという...

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Simone “Eine florentinische Tragödie “

A. v. Zemlinsky
フィレンツェの悲劇(ツェムリンスキー)シモーネ役
 一昨日、「フィレンツェの悲劇」のプレミエを終えました。「無事に終えた」以上の結果を出したと言っていいのでしょう。評判も大変良かったし、この作品に知り合えたこと、これを演奏することが出来たことを大変嬉しく思います。それにこの無茶苦茶なスケジュールのなかで良くやったと自分を誉めてやりたいです。日記などにも書いたのですが、立ち稽古はたったの5回。この難しい作品でね。
しかもさらに驚きなのは、この5回の立ち稽古を終える時点で、指揮者との音楽稽古が一度もなかったのです。彼のスケジュールのせいもあるし、僕が日本で「ナクソス島のアリアドネ」だけじゃなくて「アラベッラ」まで歌ってきたせいもあります。でももちろんそれだけじゃありません。今の劇場の音楽スタッフの状況がひどいのです。

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