ワルキューレを終えて


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二期会公演のワルキューレが、お陰様で無事におわりました。公演終了後の火曜日に飛んでもうドイツに戻ってきています。慌ただしかったです。いつもの事ではあるのですが。
これもいつもの事ですけれど、一つのプロダクションが終わり、一つの役・・・今回はこのヴォータンという一際強い愛着のあるこの役・・・と別れを告げる事で、何だか自分の中が空っぽになってしまったような気持ちになります。現実生活としてはそんな事を言ってはいられなくて、またドイツでの生活にリズムを戻さなくちゃいけないし、カルメル修道女の会話コジマ、ローエングリンと畳みかけるように続く本番と稽古をしっかりと務めなくては行けませんから、どんどん気持ちを切り替えていなくてはいけないのですが、なかなかきつい作業です。

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ゲラでのリーダーアーベント


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いやぁ終わりました。ゲラのコンサートホール・フォワイエでの歌曲の夕べ。R.シュトラウスの歌曲を22曲歌ってきました。この22曲はすべて、夏のデュオ・リサイタルで歌う曲目です。このコンサートは劇場後援会からの依頼で行ったチャリティーコンサートです。このコンサートホール・フォワイエの壁に掛かっている絵の修復費用を集めているそうです。こうして歌曲の夕べをやって欲しいと劇場後援会から依頼が来るのは、いつも僕になんだけれど、ドイツ人歌手にでなく日本人の僕にドイツ歌曲のコンサートをやって欲しいと言ってもらえるのは大変名誉なことです。本当にありがたいことだと思っています。
学生の時からずっと歌ってきたR.シュトラウスの歌曲ですが、ある種感慨深いことがあったのでエッセイとして書いてます。

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「訳詞」

実はこの夏、新しいカテゴリーの仕事をすることになっています。この夏というか、公演は夏にあるのですが僕の仕事自体はその前の段階でするものなので、もうほとんど終わっているのですが。
そう、タイトルに書きましたが「訳詞」です。
学生時代に、すでにあった訳詞にかなり手を入れて上演をしたことがありましたが、それも一から訳したわけでもなく、自分一人でやったわけでもないので、僕にとっては新しい挑戦でした。でも、やり始めてみると、思ったより楽しく、また自分にとって無理がない作業だと言うこともわかってきました。

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明日は「トスカ」ゲラでのプレミエ

ついに、ゲラの劇場の改修工事が終わり、明日は「トスカ」のプレミエでリニューアル・オープンとなります。いやぁ、長かったなぁ。2年弱の工事期間を経てやっとまた、ゲラのテアター・ザール(オペラ用ホール)で本番を迎えることになります。
昨日は、そのためのゲネプロで、工事関係者を招いての、ほとんど「本番」で、満員の客席は熱気むんむんでした。改修工事に関わった皆さんがお客さんですから、格別の思い入れもあったと思います。

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オペラ「コジマ」のピアノHP

ひとつ前の日記に、多くのコメントをいただき、ありがとうございました。嬉しかったです。そのオペラ「コジマ」のピアノHP(ハウプト・プローベ)がありました。ここではじめて本番通りの衣装を着て演じるわけです。
今まであまり詳しく書いていませんでしたが、僕の演じるニーチェは、最後には狂気の中で踊ります。「裸足で踊る」と前の日記に書いたけど、正確には「裸足」じゃなくて「ハダカ」で踊るんですわ、これが。あーはずかしい。でも、フィナーレ部分のピアノスコアのト書きに「ニーチェは、裸のディオニュソスとして現れ、自身のオペラの楽譜片を両手に抱えている」とあったので、覚悟はしておりました。

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ドイツの劇場統計

少し前なんですが、東テューリンゲン新聞に興味深い記事が載ったようで、劇場に貼ってありました。僕は新聞を通常取っていないのですが・・・ちょっとコピーさせてもらって家で読んでみました。
ドイツの、特にテューリンゲン州の劇場の比較の記事です。

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嬉しい郵便

嬉しい小包が届きました。ふふふ。これは一体なんでしょう?
 
・・・そんなもったいつけるようなものでもないかもしれませんが、僕にとってはすごく嬉しいものでした。前から欲しかったんだけど、購入に踏み切れなかったものでもあります。

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またまたロングドライブ、そして「華麗なる一族」

月曜日から火曜日にかけて、またちょっと出張(?)でした。例によって営業活動です。今度はザールブリュッケンで、ゲラからの距離は510km。用件は火曜日の午前中にザールブリュッケンなのですが、ちょうど新作オペラ「コジマ」の立ち稽古が月曜日から始まったところです。
始まった途端に稽古を休ませてくれと言うのも、ちょっと気が引けましたが、この辺が日本人の、ドイツであまり機能しない遠慮なのかな、みたいにも思ったし、何しろ必要があることだったので、演出家に掛け合って何とか休ませてもらいました。

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日本の音楽雑誌、美、三木療法について

先日、このサイトにもよく来てくださるえーちゃんさんがゲラに送って下さった「モーストリー・クラシック」と「音楽の友」が届き、久しぶりに出版物という形で日本の音楽界の様子を見る機会がありました。えーちゃんさん、どうもありがとうございました。
つくづく思うのは、日本、特に東京はクラシック音楽のマーケットとして巨大だと言うことですね。これだけのビッグネームが入れ替わり立ち替わり演奏会を開いている都市はそれほど多くないと思います。ドイツにはこの規模の音楽マーケット都市はないですね。パリとかニューヨークとかかなぁ。

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リーダー・アーベント、おもちゃの解体

Erfurt近郊のZella-Mehlis市での歌曲の夕べ、無事終了しました。二つのトスカの本番の間に入ることになってしまったこの歌曲の夕べ、楽じゃなかったですが、やっぱりやって良かった。
やってみて思うのは、僕はやっぱりドイツ・リートが大好きだと言うことですね。本当にすごく好きなんだなぁ。オペラももちろん好きだけど、どっちか一つを選べ!と言われたら、リートをとっちゃうかもしれない、と思ったりもします。

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