ゲラに戻ってきて5日。やっと一息つきました。
というのは、今日は「ランメルモールのルチア」の本番だったのです。火曜に帰ってきて、水曜から「ルチア」と4月にプレミエを迎える「フィレンツェの悲劇」の稽古を昼夜昼夜と続けていて、明日の日曜はオフなわけで。
この「ランメルモールのルチア」は、僕がいない間は当然公演できなかったので、今回は3ヶ月ぶりの公演。指揮者とエドガルド役のテノールが変わることもあって、昨日はメイクがないこと以外は本番通りのオーケストラでの通し稽古がありました。このエンリーコ役はどうも歌いにくくて大変だと思っていたのですが、マンドリカを歌ったすぐ後だからか、...
えらく楽でした。
しかしあの怒濤の東京での仕事の後、5日しか経っていないのに、あの難しいツェムリンスキーのオペラ(「フィレンツェの悲劇」)の立ち稽古をしながら「ランメルモールのルチア」の稽古もして、もう本番もやっちゃうなんて、何だか無茶苦茶だぁなんて思いながらやっておりました。まだマンドリカが全然頭から抜けておりません。歩いているといつの間にかマンドリカの節を口ずさんでいるもんなぁ・・・。
でも、今日の「ランメルモールのルチア」の本番は、なかなか良い公演でした。昨日の通しの後であらたに演出家に要求された変更も無事にこなして、演出家からは絶賛されてしまった。ははは。
でも実際、3ヶ月もの客演休暇を出してもらって帰ってきたところだから、ここゲラでの仕事をきちんとやってそれを見てもらうということは今後のことからも大切なので、時差ボケが抜けない体にむち打って頑張りました。
夜の8時を過ぎると、もう眠くて眠くてぐらぐらして来ちゃうんですよね。健登は朝4時には起きて「パパ、遊ぼうよ」なんていうし。嫁さんに任せて僕は少し寝かせてもらっちゃったけど。おかげで登紀子は僕よりぐらぐらしてます・・・。
ツェムリンスキーも、もう半分立ちがついてしまいました。長いオペラじゃないけど、立ち稽古3回でもう半分終わっちゃいましたよ。この「フィレンツェの悲劇」を演出するマティアス・オルダーグはとても仕事が速い人なんですけど、それにしてもはやい。
なかなか面白い演出になりそうですよ、このプロダクションは。時代設定は変えてあります。元の話だと、僕の演じるシモーネが公爵の息子グイドに対する殺意をあらわにするのはかなり後になってからなんだけど、今回の演出では最初からむきだしで、もう今までに稽古してある部分ですでに、拳銃で脅して、縛り上げて、僕自身も妻のビアンカにウィスキーのビンで頭を割られて・・・という具合にかなり暴力が前面に出てきています。乞うご期待です。
2003年2月15日(土)スクリプトで読み込み