今日は、日本R.シュトラウス協会の例会に行ってきました。というのは、インテルメッツォのプレ・イベントなるものが行われたのです。
指揮の若杉弘先生がインテルメッツォについてレクチャーなさったのですが、その中で1幕1場を「朗読劇」として上演することになり、クリスティーネ役の釜洞祐子さん、アンナ役の宮部小牧さんと一緒に参加しました。
若杉先生のレクチャー、すばらしかったですよ。あれほどおもしろいエピソードを交えながら要所を押さえてこのオペラを解説できる人は他にいないんじゃないでしょうか。立ち稽古の合間にも「小森、このページちょっと待ち時間に読んでおいて」なんて言われて、ロッ...
テ・レーマンの伝記のインテルメッツォ関係のところを見せてくださったりするんだけど、若杉先生の知識の広さ、深さには驚嘆します。
先生が稽古中に読ませてくださったエピソードを、今日はR.シュトラウス協会の会員の皆さんにも披露していましたが、それは、まだ結婚前、また単なる歌い手と指揮者という関係だったパウリーネとR.シュトラウスの実際のお話。
あるプロダクションで、パウリーネはR.シュトラウスの指揮の下、タンホイザーの稽古でエリーザベトを歌っていました。ちょっとしたミスをしたパウリーネは、指揮のR.シュトラウスの不機嫌そうな顔を見て、自分のミスを怒っていると早合点して、かってに自分でも腹を立てて、タンホイザーの楽譜をR.シュトラウスに投げつけて、稽古をほっぽり出して楽屋に帰ってしまった。
R.シュトラウスも激怒して、ノックもせずにパウリーネの楽屋へ突進。
後から駆けつけた楽団員はしばらくの間、怒声と罵声の応酬を聞いたのだが、その後とたんに静かになって物音一つしなくなった。楽団員は真っ青になった。「どっちがどっちを殺ったんだ?」
勇気を振り絞って楽団代表がノックをすると、にっこり笑ったR.シュトラウス顔を出したので、楽団代表は、R.シュトラウスを支持する気持ちを表現するために、今後パウリーネ嬢の出演する公演にはR.シュトラウスには出演を拒否していただきたいと申し出た。すると、R.シュトラウスは「いやいや、確かに今回はひどい被害を被った。何しろたった今、パウリーネ嬢と婚約を交わすことになったのだから」と・・・。
嘘のような話ですが、インテルメッツォの台本を読んだ今では信じられます。
僕らの朗読劇も大好評でした。僕のリサイタルも宣伝させていただいて、チケットをお求めくださった会員の方もたくさんいて、今日は大収穫。
掲示板の方も、最近にぎやかなのに、参加できなくてすいません。この週末で、何とかリサイタルの案内の郵便を投函したかったんだけど、作業が進まずに明日にずれ込みそうです。それから雑誌の取材もあったりして。
時間ができ次第書き込みしますから。
掲示板に参加してくださっている皆様、それまでもうしばらくお待ちくださいませ。
2004年6月20日(日)スクリプトで読み込み