今日、よく考えたら13日の金曜日ですね・・・。今日は「椿姫」の本番でした。しばらくやっていなかったからみんなちゃんと段取り憶えているかなぁ・・・と思っていたら案の定、結構約束と違う事をやってくれる人が多かった。まぁおおむねあっていたので良いんですけどね。日本人はきちんとやろうとしすぎるかなぁ。
今日の「椿姫」本番は、あとから急に追加になった公演で、しかもアボ(Abonnement アボヌマンの略で、定期会員と言ったところ)のお客さんが来ない、純粋な一般売りだけの公演だったので、かなりお客さんの入りは悪かったですね。どうして急に入ったんだろう・・・。ゲストの歌手のスケジュールが変わったとか、祖いうことが多いんですけどね、こういう事が起きる時は。
でも、いつも思うんだけど、お客さんが少ない時ほど拍手は熱心というか、熱い拍手が来るんですよ。ほとんど方程式にしても良いと思うくらいそうだなぁ。お客さんが一杯入った時の熱気というのはそれはそれで別の盛り上がりを生むんですけどね。面白いです。
さて、この間の日曜日のリーダー・アーベントの批評が新聞に出たそうで、ドラマトゥルギー(文芸部)から批評のコピーが送られてきました。
批評が出る事自体意外だったのですが、これがまたえらく褒めてくれていてちょっとびっくりしました。これ以上褒めようがあるか?と言うくらいのポジティブな批評です。
この室内コンサートのシリーズにはほとんど批評家は来ないはずなんだけど、どうしてきたんだろう。僕は一応この劇場の看板歌手なので、その歌手がドイツ歌曲をどんな風に歌うのか、興味があったのかも知れませんね。
いやぁ、でも嬉しいですね。前にも何度も書いているけど、僕のドイツ歌曲への愛というのは初めはオペラへの愛を凌ぐもので、当時は歌曲ばっかり練習していました。学生の頃ですけどね。
やっぱり仕事としてはオペラが中心になるし、オペラの醍醐味もあとからわかってきて、一人の人物を演じるということが如何に自分にとって価値ある事かが今はよくわかってきたので、オペラを歌い演じるということが僕の大事な部分になりましたが、歌曲を歌う事への情熱はかえって増しているくらいです。
その僕の歌曲演奏を、ドイツの聴衆ばかりでなく、ドイツの批評家がこんなに高く評価してくれたというのは本当に嬉しい。まぁ批評家の皆さんの判断が結果の全てを反映するとは限らない事もわかっているけれど、このマンフレート・ハイニッヒという人の批評を読んでいると、僕が歌曲演奏で大事にしている部分を理解してくれているし、その上で評価してくれているから、僕が演奏で表現した事は良く伝わったのだと思います。この人はライプツィヒを中心に活動しているこの辺では著名な批評家で、我々の劇場の公演批評も良く書いています。辛辣な事も良く書く人で、この間の阪さんのコンサートの批評は結構厳しい事が書いてあったなぁ。まぁこういうのって好みの問題もかなりあるんですけどね。
この批評の訳は別のページに出す事にします。リンクしますのでこちらからどうぞ。