「モーツァルトとサリエリ」アルテンブルクのプレミエ

ここのところ、あまり劇場の本番に関して報告していませんでしたね。1月22日から「モーツァルト週間」でした。もちろんモーツァルトの250回目の誕生日を迎えるに当たって、アルテンブルクーゲラ市立劇場としても、企画を組んだわけですね。


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サロン・コンサートあり、オペラあり、フィルハーモニー・コンサートありで、プログラム的にはかなりにぎやかだったと思います。木曜日には午前中に「小さな魔笛」夜に普通の「魔笛」が上演されて、今日の日曜日に「劇場支配人」とリムスキー・コルサコフの「モーツァルトとサリエリ」で、このモーツァルト週間は幕を閉じました。


この演出は、オペラ劇場での大きな舞台で上演されることを想定して演出されていません。だから、写真のように、オーケストラが舞台の左側にいて、僕らの演じるスペースはすぐ客席とつながっていて、それどころか、演出テーブルにつく演出家役、演出助手役の役者達は、客席最前列に座って芝居をします。


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アルテンブルクでも、ハイツハウスという、少し小さめの小屋で上演される予定だっのですが、急遽変更でオペラ劇場で上演されることになった。ハイツハウスでは天井が低すぎたようです。
で、問題はくだんの演出テーブル。BaP(ゲラでこの作品を上演した小屋)は客席が舞台より高かったんだけど、アルテンブルクのオペラ劇場は、1F客席が舞台より低い。となると、この中央におかれた演出テーブルに邪魔されて、舞台中央の芝居が一切見られないのです。
こんな事、ちょっと考えればわかるだろうに、と思うんだけど、まぁ稽古が始まってからみんな気がついたらしい。ふむ。こういう事は日本では起こりえないですねぇ。
で、みんなでケンケン諤々と意見を交換した結果、演出テーブルを下手にずらすことになった。でも、そうするとかなり芝居が変わっちゃうんですよね・・・。これで一番影響を受けるのはサリエリ役の僕なので、まぁ僕が反論したらまた別のやり方をする必要があったのだけど、僕の目からはこれ以上にましなアイディアも出てこないように思えたし、受け入れて、結局無理矢理一度通して一昨日のGPはおわりました。
照明あわせが遅れて、稽古開始が30分押した上にこの問題で、家に帰るのがえらく遅くなってしまった。
その上、今はすごく寒いので、アルテンブルクからの帰り道、あまりとばせないんです。つるつるですからね。
プレミエは、GPで一通り問題をチェックしてあったのでうまくいったと思います。オーケストラが余計に奥に入ってしまったので、バランスとしてオケが弱かったかもしれないな。まぁ仕方ないでしょう、今回は。
なにしろ、この作品、アルテンブルクでの公演はこのプレミエ一度だけなんです。噂では来期から仕事を始める次期インテンダントはこの作品を自分のシーズンに入ってから再演するつもりはないらしい。「魔笛」もね。
恒例の、プレミエ・パーティーでのケーキ。いつも作品と何かしら関係づけてケーキが用意されるんだけど、今回はモーツァルト・クーゲル(モーツァルトの顔の絵がついている丸いチョコ。日本でも売ってると思います)を上に並べたケーキで、シュヴァルツヴェルダーに似ていたけど、ベリーの種類が違うとか。大変美味でした。写真撮れば良かったなぁ。

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