健登の誕生日と「コシ・ファン・トゥッテ」のプレミエが重なってしまったので、今回は健登の友達を呼んでのパーティーを二日後の5月2日にやりました。
これでちゃんと友達を呼んでのパーティーは4回目で、だいぶ要領がわかってきました。
公演監督(?)は嫁さんです。もうずいぶん前から計画は練っていて、やることも決まっていたんですが、いかに計画的に準備を進めていても、やっぱり本番(?)が近づいてくると、色々大変でした。でも、良い誕生パーティーになったと思うな。
今住んでいる家に引っ越したのが、ちょうど4年前になるんですね。健登の2歳の誕生日の直前だった。だから健登の2歳の誕生日はまだ段ボールに囲まれた状態でお祝いしたんでした。
この引っ越しも、直前に健登が水疱瘡になるわ、テレビの取材があるわで、えらくてんやわんやでした。あれも4年前か・・・時間が経つのは本当に早いです。
登紀子の、この誕生日パーティーを良いものにしたいという情熱はすごいものがあって、最後の方はもう体力的にぎりぎりのところでやってましたね。毎回そうです。この時期は次から次へと新しい花粉が出てくる時期でもあって、強いアレルギーのある登紀子はただでさえ体力的にきついんだけどね。本当に良く頑張ったと思う。えらい!
僕が特にえらいなぁと思うのは、色々な歌や遊びをすごく綿密に準備していることですねー。子ども達と一緒にやるわけだけど、ピアノを弾いて一緒に歌って、遊びでは操り人形を使って、その人形が遊びの説明をして子どもを遊びに引き込んでいくとか、そういうことをすごく丁寧に準備して、ドイツの子ども達相手にドイツ語でやるわけです。僕らはもう長くドイツに住んでいるけど、やっぱりみんなの前でしゃべるとか、そういうのは大変です。特に子どもというのは容赦がないので、変なドイツ語をしゃべると大人みたいに想像して理解しようと努力したりはしてくれませんからね。子どもと長い間ドイツ語でコミュニケーションするというのはすごく大変です。
今回、登紀子が準備した遊びは、Spirale(うずまき)という双六に似たゲームと、福笑い。福笑いはドイツにはない遊びだけど、やっぱり日本の文化を伝えたいという気持ちがあるらしく、敢えて取り入れていました。人形を操って人形にルールを説明させてね。その人形の顔を作るようにしたわけです。
最初は女の子は喜んでやったんだけど、男の子には不評で、でも最後に一番きかん坊のミゲルが「やっぱりやる〜」といって楽しそうにやってましたよ。
メインイヴェントは、前にも書いたとおり、健登の影絵「ペーターとオオカミ」です。見ている子ども達が集中力を切らさないように、録音をマックでちょっと編集して、短いバージョンを作ったのですが、それでも子ども達が最後まで見てくれるか、それが結構僕としてはドキドキでした。せっかく練習した影絵の途中で友達が「つまんなーい」とか言って席を立っちゃったら、健登もかわいそうだからね。
でも、子ども達は最後までとても集中して聞いていました。これは結構びっくりした。部屋を暗くしたりして雰囲気があったからか、ちょっとふざける子がいると別の子がたしなめたりしてね。
以前のエントリ でも書いたのですが、この影絵に関しては、僕ら親は一切演出というか、動きなどの指示はしていないのですが、健登が音楽を聴いて自分で動きを決めてやっているのです。一度だけ最初に、ペーターのテーマがなっているときもフルートが小鳥のモチーフを演奏しているところをさして「ここはペーターの音楽と小鳥の音楽が一緒に鳴っているから、二人で遊んでいるんじゃない?」と言ったのですが、これ以降、音楽を注意深く聴いて、そこから動きを決めているようなんですね。これはたいしたもんだと思いました。(親ばか)
このプロコフィエフの「ペーターとオオカミ」という作品では、ペーターは弦楽器、おじいさんはファゴット、オオカミはホルン、と言う具合にキャラクターに楽器が割り当てられているから、余計にはっきりわかったとは思います。
子ども達はみんなずいぶん楽しんだみたいで、満足してお帰りになりました。はい。よかったよかった。
僕は本当はこの日は仕事が入らないはずだったのに、急に来期からのインテンダントのマティアス・オルダーグがオペラ部門全員を集めて集会をやることになってしまい、更に「みんなどうせ集まるんだから」といって次のショスタコーヴィッチのオペレッタの稽古まで入りそうになり、全日、誕生日の準備に当てるつもりだった僕は、大変困った。
僕のこの日の使命は、何よりも食事の準備。僕がピザを焼くことにしていたのです。でも、この集会が入ったので、当日に粉をこねてトマトソースを煮て、とやっていると間に合わないことがわかり、前日に生地とソースは作って冷凍しておきました。冷凍した生地をどのくらい前に出すべきか、オーブンは予熱するかしないか、とかで結構迷ったんだけど、まぁうまくいきました。子ども達も喜んで食べたし。でも冷凍しないですぐ焼いた方がやっぱりおいしいね。