今日はドン・ジョヴァンニ本番でした。
1週間くらい前から咳が止まらず、一昨日耳鼻咽喉科に行ったのですが、気管の炎症がひどくて、一般人であれば特にひどい健康状態ではないけど、歌うということを考えると、歌っている最中に咳が出る危険が大きく、出来るなら歌わないほうがいい、といわれてしまいました。
ジョヴァンニはシングルキャストですからキャンセルするわけには行きません。昨日までは痰をとる薬と吸入、今日は咳を抑える薬に切り替えて、何とか乗り切りました。開演前に演出助手のエッカルトに頼んで、僕が気管の炎症で本調子でないことをアナウンスしてもらいました。
実際にはほと...
んど問題なく歌えたのですが、その咳を抑える薬は少し神経を鈍くする作用もあって、最後の方ではちょっとぼーっとするような所もあり、それはジョヴァンニが地獄に飲み込まれる直前だったので、せりが下がる所ですから、ちょっと危なかったかなぁ。薬には気をつけなくてはと思います。
まぁ常套で、地獄落ちではスモークがたかれるわけですが、なんとか我慢して最後の断末魔の叫びのために息を吸ったところで、せりの横にあったスモークの噴出口からすごい勢いで煙が出てきて、ここはもうどうしようもなく咳き込んでしまいました。
叫びつつ地獄に堕ちていくのではなく、咳き込みながら地獄に堕ちていくという、ミミ顔負けの「肺病のドン・ジョヴァンニ」をやってしまいました。
「うわああ〜〜〜〜あ〜〜〜っ!」のかわりに「ごほごほごほごほごほ・・・」ですからね・・・。
2002年3月4日(月)スクリプトで読み込み