ラインスベルク音楽祭へ

何とか荷物をまとめて、友人達にまた山積みにしてもらって、ラインスベルクに向かいました。

その切符を買うついでに、ベルリンからゲラまで、トランク3つ(多分80kgくらいに増えてる)をドイツ鉄道のサービスで運んでもらう予約をしました。

ベルリンのツォー駅の長距離切符売り場はあいもかわらず大混雑しています。僕は切符を買うだけでなく、引き取りの日時や住所、配達の住所など、色々はなす事があったので当然時間がかかります。そうしたら列に並んでいたドイツ人の老人が、カツカツとこっちに歩いてきて「いったいあなたはそうやって時間をかけて我々を待たせることに誇りを感じている...


んですか!?私はもう30分も待ってるんだ!!!」と叫んだのです。まぁこういうことはあります。慌てるな。

僕も結構カッとなる質なのですが、こういうときは慌てず落ち着いて対処しなくちゃ。でも泣き寝入りをするのはいけません。喧嘩はドイツ語がうまくなる最高のチャンスです。危険がないときに限りますけど。「僕は骨折してるから荷物がもてない。それで配達のサービスの手続きをしているんです。それに僕だって列に並んでずっと待ってたんだ、あなたも少し我慢したらどうですか」そう聞いたらその老人はすーっと行ってしまいました。ほっ。

窓口のお姉さんも「時々ああいう人がいるのよねぇ・・・」と嘆いていました。まぁ僕も並んでいるといらいらする気持ちは良くわかるんですけど。子供じゃないんだから、少し我慢しないと、ね。

ラインスベルクについては、またホームページのどこかで解説しようかと思います。毎年夏にオペラを中心とした若い音楽家のための音楽祭があり、今は若いオペラ歌手の登竜門としてドイツの音楽界では知らない人はいません。日本人では過去にソプラノの天羽明恵さん、バリトンの晴雅彦さんなどが出演しており、今年は僕の段ボールを上げ下ろししてくれた(ごめんね)萩原潤さんがセヴィリアの理髪師のフィガロを演じました。僕もここの「卒業生」で、今回はその音楽祭のトリであるガラコンサートへの出演です。そのタイトルが・・・

「ラインスベルクからメトへ」

メトってもちろんメトロポリタンオペラのことです。ちょっと大げさじゃないかなぁ。でも集まった卒業生達はハイレベルでした!練習でみんなの歌を聴いて結構びっくりしました。一人キャンセルして8人でしたが、どの歌手もドイツ・オーストリア・スイスを中心に活躍し将来を嘱望されている新鋭オペラ歌手ばかり。(ぼくも?)そのうち2人はもう過去に一緒に仕事をしたことのある知人でした。ドイツ人、アメリカ人、スウェーデン人、日本人。

でも僕は鎖骨を折ってから初めての舞台。不安はあります。・・・まぁ骨折の直後、カルメンの3・4幕は歌いましたけど。それに湿度が全然日本と違うし。やはり声帯の感じ方がずいぶん違いますから。

それにプログラムを見たら、僕がトリなのです。この豪華メンバーの中で、なんで?僕はこの中ではイタリアものを歌うという役割分担で、リゴレットのアリア、トロバトーレのルーナ伯爵のアリアと2重唱を歌います。そうか、2重唱を最後にしたら盛り上がるからね。でもルーナ伯爵のアリア(超難曲なんですよ)を歌ってから続けて2重唱を歌わなくちゃいけない。

どうなることやら。
2000年8月12日(土)スクリプトで読み込み

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