東京での第九3回が終わりました!
今日はサントリーホールでしたが、3日間、毎日場所を変えて同じ曲をやるというのはちょっと不思議な気分でした。音響はかなり違いますからね。他のソロの皆さんに言わせると、サントリーホールが一番歌いにくいと言う話でしたが、僕としてはどのホールも気持ちよく歌えました。
そして、僕は今回のこの一連のコンサートで、第九が大好きになりました。
もともと第九は好きな曲ではあったのですが、年末になるとどこもかしこも第九をやるし、何だか食傷気味というわけでもないですが、すこし第九と僕のと関係はマンネリになりつつありました。
2年前...
の年末は、ドイツ人の合唱団と一緒に第九をやって、ちょっとしたカルチャーショックを受けたので、それで少し第九に関してリフレッシュされた部分はあった( エッセイ に書いていますのでご参照下さい)のですが、今回の第九のインパクトは全くそれとはレベルが違うショックでした。
とにかく佐渡さんが素晴らしかったんです。
本番までは、4楽章以外は聴くチャンスがなかったのですが、本番では3楽章から舞台に出るので、ゆっくり聴くことが出来ます。僕はあんなにカラフルで肉感的な第九の3楽章は初めて聴きました。本当にすごかった。
もちろん、すごかったのは3楽章だけではありません。
ご存じの通り、第九のテキストは人類愛を歌い上げたものですが、テキストのない部分も、いかにこの地球上の自然が素晴らしいか、その自然と人間とを賛美してやまない音楽なんだと実感しました。
それにその全ての音楽的エレメントが、この瞬間に発生して成長していくのが手に取るようにわかるのです。音楽がわき上がる衝動にあふれていて、「ベートーベンってこんなにライブ感がある音楽なのか」とびっくりしたのです。難しい顔をして古典音楽として「きちんと」演奏しているだけでは、こういう音楽の魔力は生まれてきませんよね。
24日のゲネプロの後に、佐渡さんが僕の楽屋に来て下さって、佐渡さんの第九のイメージをいろいろと話して下さったんですが、それが本当に音楽としてお客さんへのメッセージになっていて、すごいと思いました。
僕は95年の夏に、「オン・ザ・タウン」というバーンスタインのミュージカルで佐渡さんとご一緒させていただいて以来だったのですが、本当に今回は声をかけていただいて良かったです。また佐渡さんとご一緒したいなぁ・・・。まぁ明後日から大阪でも第九でご一緒するわけですが。その後という意味ね。
佐渡さんが素晴らしい指揮者であることは僕はもちろん知っていたし、佐渡さんのスケールの大きさも知っていましたが、今回の第九では本当に圧倒され、感動しまくりました。同じステージに立っている人間がそういう風に感動してしまって良いものかという疑問もありますが・・・。
大阪ではオーケストラ、合唱、ホールが変わるわけですが、楽しみです。明日は新国立劇場のアラベッラの稽古に出て、明後日大阪へ移動します。
ところで表紙のカウンターですが、もうすぐですね。今夜中に10000に行くかなぁ。さっきは9955でした。
写真は25日の第九の終演後に撮った写真です。
2002年12月27日(金)スクリプトで読み込み