「フィレンツェの悲劇」舞台稽古

昨日はピアノでの舞台通し稽古、今日はBO(舞台でのオーケストラ合わせ)でした。
昨日のピアノでの通し稽古では、初めて照明が入り、衣装とメイクが入って、もちろん舞台も本番通りなので、主に技術的なこと、段取り的なことが問題なく行くかどうかを試すのが重要になります。照明のタイミングが合わなかったり、あくべきドアがうまく開かなかったり、転換が予定通りに出来なかったりした場合は、何度も繰り返したりするので、歌手はあまりフルヴォイスで歌いません。芝居も本当に気合い入れてやっていると集中力も持たないしね。
でも僕は昨日の稽古では、声も芝居も抜くわけに行かず、フル回転で行きました。と...


いうのも、このプロダクション、演出家のマティアス・オルダーグが並行してドレスデンのゼンパーオパーでも演出しているせいで、稽古が足りていないのです。一つの稽古でも気を抜くわけに行かないと言うのが僕の心境です。

このオペラは55分の一幕もので、決して長くはないのですが、この55分のうち40分以上を一人で歌っているのが僕の役、シモーネなのです。この役は声楽的にはかなり重い役で、ウェイトとしては「サロメ」のヨハナーンに相当すると思います。歌う量はヨハナーンの3倍くらいあるけど。

とにかく僕が一人で歌って芝居をするので、この作品の成功は僕一人の集中力にかかっていると言っても過言ではないわけです。プレッシャーも大きいけど、まぁとにかく稽古が少なくて、参った。

昨日の舞台での衣装や照明ありでやった通しが、指揮者との最初の立ち稽古なんですから。めちゃくちゃです、この稽古日程は。まったくもう。

でも昨日の舞台での通しで、全体像が見えました。あとはBOでオケとのやりとりをしっかり作っておかなくちゃね。写真は、妻のビアンカにウィスキーのビンで頭を割られるところです。血のりは使わない方向で行きそうですが、この飛び散るガラスでエフェクトはもう充分でしょう。


2003年3月27日(木)スクリプトで読み込み

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