「ル・グラン・マカーブル」

えらく間があいてしまってすいません。シーズン終わりがばたばたしていた上に、シーズンが終わるのを待たずに休暇より一日早くゲラを飛び出してベルリンに行き、そこからロンドンへ飛んでレッスンを受けておりました。
今日はこれから4回目のレッスンですが、やっとインターネットに接続できるようになったのでアップしております。といっても知人のうちで電話回線をお借りしている身なので、日記だけね。

ベルリンに着いた次の日、13日の日曜日にベルリン・コミシェオパーでリゲティのオペラ「ル・グラン・マカーブル」を見ました。
実はこのプロダクションに、うちの掲示板にも良く書き込んでく...


れていて、うちの家族と家族ぐるみのつきあいをしてくれているぴかチュウままさんことソプラノの森川栄子さんが参加しているのです。・・・家族ぐるみというか、うちの家族で栄子さんをくるんじゃっている感じなんだけどね。今回も健登はずいぶん前から「もうすぐベルリンの栄子ちゃんちにいくんだよね〜」と楽しみにしておりました。
で、栄子さんから稽古段階からいろいろ話を聞いていたし、栄子さんが秋の公演で歌う役を7月の公演では、やはり僕の同僚というか、学生時代から知っていてベルリンでも一緒だった天羽明恵さんが歌っているし、聴きに行ってきました。そうそう明恵さんとはこの間新国立劇場でアラベラでご一緒させていただきました。

まぁかなりエグい演出だとは聞いていたけど、実際すごかった。でもオペラ自体がグロテスク・パロディー・オペラという事なので、その作品自体の方向性をある意味で「真面目に」さらに突き進めた結果なのでしょう。そしてものすごいブラボーの嵐でした。
僕個人としては、この演出の中で行われている大半のことが、僕にとっての「劇場」という概念に含まれない事なのであまり歓迎できないのですが、もはやドイツではこういう舞台は珍しくないし、僕が受け入れられるかどうかは別にして存続していく一つの方向性なのでしょう。グロテスクなものを表現するのにリアルなグロテスクは必ずしも必要ないと僕は考えるのだけれどね。
明恵さん、素晴らしかったですよ。声楽的に大変な役である上に芝居的にも結構激しい動きを要求されているにもかかわらず。楽屋にも行って来ました。僕が来るとは知らなかったようでびっくりしてましたが。この日の公演では、舞台上で色々事故があって、開くべきドアが開かなかったり、大変だったようです。それから前の公演から日があいたこともあり、オケもかなりおちていたりしたそうです。現代物は日があいたら稽古入れなくちゃダメですかね、やっぱり。

森川栄子さんが歌うのは10月。僕はナブッコが幕を開けて、その後ゲラでも現代オペラをやるのでその立ち稽古が始まる時期。演出家はやはり前衛で知られるクレズニック。ちょっと見に来られるかはわからないけど、栄子さんも舞台も見たいなぁ。皆さんベルリンに10月にいらっしゃることがあったら、是非観てみてくださいね。
2003年7月13日(日)スクリプトで読み込み

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