おとといの日記にも書いた、マットゥスさん。3日間あるコンサートの2日目の昼は時間があるとのことで、ランチをご一緒させてもらいました。うちの嫁さんも一緒。コンサート当日からマットゥス夫人もゲラにいらしたので、夫人に健登の顔を見せたいところでしたが、幼稚園に行っているので無理。
マットゥス夫人はご自身も元歌手で、いまは作曲家でありラインスベルク音楽祭の主催者であるご主人のサポートをされています。ラインスベルク音楽祭が毎年送り出している新人歌手たちのその後のことを気にかけてくださり、僕のゲラの本番もたびたび聴きに来てくださっています。
昨日のコンサートはゲネ...
プロと本番両方を聴きました。「果てしない物語」のオーケストラバージョン、オーケストラと朗読という構成ですが、すばらしい作品でした。僕は個人的には、空飛ぶ竜の音楽が非常に印象に残っています。
ミヒャエル・エンデという作家はたぶんにアントロポゾフィー(ルドルフ・シュタイナーの確立した「人知学」)の影響を受けていて、僕らがいま関心を持っているヴァルドルフ教育と彼の作品とは切っても切れない関係にあります。
実はいま僕は遅ればせながら「モモ」を読んでいる途中です。(忙しくなっちゃうと中断して、また読み始めて、という繰り返しでなかなか進みませんが)「時間」に対する意識は、特に我々日本人はこの作品から多くを読み取り学ばなくてはならないと思います。
さて、この「果てしない物語」は、朗読を挟んだ組曲的な構成で1時間くらいの作品です。マットゥスさんから聞いたのですが、ヴァイマールでこの間初演されたオペラバージョンよりも、このコンサートバージョンの方が先に作曲されたそうです。
僕がこの作品を日本に紹介するチャンスを探したいと言ったら、「朗読は日本語であなたがやったらいい」と、録音を用意していただけることになりました。
さて、ランチではいろいろな話を出来て、とても充実した時間を過ごせました。マットゥスさんは数年前に、バリトンソロとオーケストラの作品を初演されたそうなのですが、それが僕の声にぴったりだと言うことで演奏するように奨められました。
オペラのこと、家族のこと、仕事のことなど、あまり具体的なことはここでは書きませんが、オペラという芸術において、僕が目指しているところと非常に近い感覚を持っていらっしゃる方だということを再確認して、非常に勇気づけられたし、うれしかったです。まぁこういう書き方は僭越なのかもしれませんけど。
実は前にちょっと書いた、ラインスベルク音楽祭との提携で行われるベルリンでのガラコンサート出演の話、ポシャっちゃったんですよね。クルト・マズア氏が指揮すると言うことも当時決まっていて、とても楽しみにしていたのですが。
僕は当時日本からこのコンサートの為に自腹を切ってドイツに飛んで帰ってくる予定にしていたのです。ラインスベルク音楽祭は由緒ある音楽祭でステイタスもありますが、苦しい台所でやっていることは僕も知っていて、飛行機代がでなくてもokという事で出演承諾したのです。
その後、予算の関係で歌手を減らす必要がでて、無理に日本から戻ってくる僕は外れる事になってしまったようなのですが、そのころには実は劇場のオペラの稽古のためにどちらにしてものその時期ドイツにいたわけで・・・これをマットゥスさんに伝えておくべきだった。まぁ後の祭りですけどね。残念だなぁ。
でも次なる企画があるようで、また声をかけてくださるそうです。
2004年4月29日(木)スクリプトで読み込み