新年のニュースレターには書いたのですが、サイトの方ではまだ発表しておりませんでした。来月4日の金曜日にゲラの劇場で初めてのリーダー・アーベント(歌曲の夕べ)を行います。ドイツで初めてのソロ・リサイタルです。はっきり言って、かなり気合い入ってます。場所はコンサートホールのフォワイエ。ここは今年の夏から改修工事の関係で使えなくなり、この場所でソロのコンサートをする機会はとうとう無かったなぁなんて思っていたところでもあり、これもまた嬉しい。
曲目は、まず前半にR.シューマンのリーダークライス作品39番。後半はブラームス、ヴォルフ、R.シュトラウスの歌曲で、これは東京でのリサイタルの前半のプログラムをそのままやります。
これは劇場の後援会が主催するもので、オファーがあったのはつい1ヶ月くらい前のことでした。
今、劇場の新しい稽古場を建設中なのですが、予算が逼迫しているため、この稽古場の換気設備をあきらめざるを得ない状況だったそうです。この話は劇場後援会のヴァルターさんから聞いた話で、僕はそんなことは知らなかった。
そこで劇場後援会が座席の予算を肩代わりすることで、座席分の予算を換気設備に回すことが出来たそうです。しかしそこは劇場用の客席、安くありません。それを200脚。そのための寄付を集めなくてはいけないのでコンサートを開催することになりました。それで僕に白羽の矢が立ったのです。
ドイツ歌曲のコンサートを、という事だったので僕には願ったりかなったりなのですが、こういう重要な催しで、しかもドイツ文化の極めて「硬派」な部分であるドイツ歌曲のコンサートをオファーされたという事は、僕はとても嬉しかった。ドイツ人の聴衆の皆さんが、ドイツ人同僚でなく敢えて僕のドイツ歌曲を聴きたいと思ってくれたことは僕にとって大きな意義があります。これは絶対に成功させなければいけません。
余談ですが、4月にはやはり劇場での室内楽コンサートシリーズの一巻として、詩人の恋、リーダークライス作品24番という歌曲集。アルテンブルク市の劇場のオペラ・ホールで歌います。そして9月にはゲラ近郊のシュメッリンという都市のお城の中のホールでリサイタルを行います。
そして8月10日には上野の文化会館小ホールで、ピアニストの服部容子さんとデュオ・リサイタル!これはね、これからシリーズ化するつもりなのです。このデュオ・リサイタルの内容は今詰めているところで、はっきりしたらすぐにサイトでもお知らせします。チケットの受付もサイトから受け付けますので、皆さん、いらして下さいね。
そんなわけで、2005年は歌曲リサイタルが4つもあります。ここ数年、歌曲を歌う機会に飢えていたのでとっても嬉しいです。それも去年、夏のリサイタルがうまく行って初めて踏み切れた感じですけどね。どこかに書いたと思うけど、僕はここ数年はオペラ中心の声作りをせざるを得なかったため、室内楽的な響きを使う歌曲演奏からは意識して遠ざかっていたんです。もともとはオペラより歌曲の方が好きだった僕ですから、これは結構精神的につらかったんですが、就職活動上、また来るオファーの関係からもこれは仕方なかった。
いま、存分に歌曲を歌える状況が、僕の技術の上では整ったので、これから出来る範囲で歌曲の演奏機会を増やしていきたいと思います。