「ホフマン物語」のプレミエ

ベルリンで住居の契約書の問題も解決したので、サインをして持っていき、やっと住所がちゃんと決まりました。ふう。それで床の工事が終わってちゃんと受け渡しになるのは来週の金曜日になりました。

これで本当の住居で住民登録が出来るので、それをさっさと済ませて車屋に行きました。ADACという日本のJAFみたいな団体で保険も紹介してもらって加入。銀行と劇場と携帯電話の会社に新しい住所を伝えて。あちこちはしごで大変だけど、こういう時は苦になりませんね〜。そして夜はオッフェンバックの「ホフマン物語」のプレミエを見に行きました。

・・・これが良かったんです!!!正直なとこ...


ろ、あんまり期待していなかったんだけど。歌手もオケも合唱も良かったんだけど、特に演出が良かった。かなり手を入れてありましたね。ホフマンは自分とあまり関係がある作品という認識がないのではっきり言ってあまり勉強してありません。つまり良く知らない・・・。衝撃的だったのはエピローグの最後でステラが去ってからのホフマンの歌をオケを止めてしまって、ラジカセ伴奏で歌わせるんですよ。まぁ前もってここのオケが録音したテープですけど。開演前から劇場の前に乞食というか浮浪者というか、コップに小銭を入れてもらっているおじさんがいたんですが、なんと彼は出演者でした。びっくりね。その人が最初にニクラウスとこの物語を始めるというか、物語を見届けるというか。最後に酔いつぶれたホフマンに寄っていってワインを勧め、持っていた紙袋の中からおもむろにラジカセを出してスイッチを入れるという趣向でした。まぁノーマルなやり方じゃないから批判は当然あるでしょうけど、僕は非常に気に入りました。また場面の順番を入れ替えて(コンマスの話だと、そういう版があるらしいんですが。そんなのあるのかなぁ)、人形のオランピアの場面の後に病気のアントニア、娼婦のジュリエッタとなるんですね。それでジュリエッタの場面の全出演者が、そのままなだれ込んだエピローグの中で衣装を脱いでいって下着になりながらホフマンを囲むわけです。「これはみんな虚構なんだから」という感じでね。これが良かった。服を脱ぐという行為には、本心を見せる、油断というか信頼から警戒を解くという事を象徴する部分があるんですね。ここは本当に美しいシーンだった。まだ何回かあるので勉強してからまたみてみたいですね。いやー興奮した。
2000年9月15日(金)スクリプトで読み込み

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