年が明けてから急に寒くなった冬でしたが、やっと春らしい陽気になってきました。年末までは雪もほとんど降らなかったし、いやぁこれは暖冬だなぁなんて思っていたら、年が明けたとたんに大雪の連続。僕が仕事で遠出する日の前日に必ず大雪が降るという感じでした。まったくねぇ。
でも、僕は元々雪が好きだし、積もれば健登と一緒にそりで遊べるし、雪がたくさん降ることに関してあまり文句を言うつもりはありません。車で遠出するのは怖いですけどね、特に一昨年の
さて、先週は20度を超す日が何日かあったんですけれど、今日は朝はまた零下になっていて、この気温の変化には参りますね。体調がおかしいと訴える人も多いです。僕もどうもだるい日が多くて、ちょっと最近「快調!」という感じではありません。春の到来で、この次は眠くなりそうだなぁ。
昨日、健登と公園に行ったときに、あんまり空が青いので写真を撮りました。写真はそれです。
福岡沖の地震、大変なようですね。ニュースでちょっと読んだだけなのですが。被害に遭われた方が一日も早く元の生活に戻ることができるようにお祈りいたします。ここのところ、地震が続いていますね。ドイツでは地震はほとんどないわけですが、怖いと思っている人も多いらしくてこういうニュースがあると僕に声をかけてくる人も結構多いです。
地震より少し前に、やはり悲しいニュースがありました。指揮者のガリー・ベルティーニ氏の訃報です。マーラーのスペシャリストとして日本の聴衆にも愛されたベルティーニ氏でしたが、今月の17日に亡くなったそうです。
僕は2000年に都響のマーラー・シリーズ第一回のコンサートの「さすらう若人の歌」で共演させて頂きました。
この曲は声楽的に超絶技巧とも言える広い音域とデュナーミクを要求する作品で、マエストロ・ベルティーニも、この曲にはかなりの思い入れをお持ちだったようです。ベルリンを去る準備をしている頃でしたが、この曲のソリストを探していて、マエストロ本人が是非直接声を聴きたいといっていると言うことだったので、ベルリンからその時ベルティーニ氏が仕事のあったハンブルクまで聴いてもらうために行ってきました。誰か他にもきていてオーディションなのかと思いきや、僕を聞くためだけにマエストロがそのアポイントにいらしていて、この「さすらう若人の歌」を全曲歌いました。
結果的に気に入って頂いて2000年に始まった都響とベルティーニ氏による、マーラーの全交響曲を演奏するシリーズの記念すべき第一回に共演させて頂くことができました。このハンブルクでのことをマエストロが「声楽的には素晴らしいが、解釈には隔たりがある」とおっしゃっていたと聞き、練習には結構緊張して出かけましたが、何かを強いると言う感じでなく、自然な感じで導いて下さって、とても歌いやすく、また僕の音楽を殺さずにマエストロの音楽に引き寄せて下さった感じで、とても幸せなコンサートでした。
思い出深いのは、2回あったコンサートの2回目の日に健登が生まれたことです。朝8時半に生まれた健登に挨拶だけして、マチネのコンサートがあった横浜のみなとみらいに病院から直行しました。時間がぎりぎりだったので健登をだっこ出来たのはコンサートの後でしたが。
コンサートの前半で僕の出番は終わりだったのですが、マエストロに挨拶したくて残っていたら、マーラー交響曲1番を終えてステージから戻られたベルティーニ氏が「あんた何やってんの?!はやく息子に会いに行きなさい!」と大声で言われたのを良く憶えています。
ベルティーニ氏の冥福を心からお祈りいたします。