Laternenfest(ランタン祭り)



image


また人智学、ヴァルドルフ教育ねたですが。
昨日、今日は、我が家ではヴァルドルフ関係のイベントが目白押しです。目白押しすぎて、昨日の夜の講演会はお休みしてしまった。ちょっと残念ですが、その直前のヴァルドルフ幼稚園でのLaternenfest(ランタン祭り)の方を優先させました。健登は来年小学校に上がるから、これが最後のランタン祭りなんだけど、僕はまだ一緒に行ったことがなかったのです。嫁さんが『独特な雰囲気があるから、一度一緒に行ったら良いよ』と前から言っていたこともありまして。
そして、今日の午前中は、昨日僕がパスした講演会をしたベルリンのヴァルドルフ教育専門家のヘルマン氏がセミナーをするというので行ってきました。




image


嫁さんがやっている幼稚園のママさんコーラスでも、ここのところはずっとこのランタン祭りで歌う歌を練習していました。登紀子がこのママさんコーラスを立ち上げた最大の理由は、子供たちが幼稚園で歌っているペンタトニック(五音階)の歌を親も歌おう、そしてその参加費を学校設立運動に寄付しよう、ということだったのですね。こういうときはランタン祭りにまつわる歌を幼稚園でもずっと子供たちが歌っていますから、それらの曲を子供と一緒に歌う良いチャンスなのです。
ちょっと五音階について触れておくと、これはヴァルドルフ教育では、7歳、つまり歯のはえ代わりまでの子供には普通の音階でなく五音階の音楽に親しむべしというのがあるんです。五音階では減五度、増四度などの、ある種「ひずんだ」音程間隔が発生しません。専門的に言い出すと長いんだけど、五音階というのは『調和している音の世界』なのです。ですから、ヴァルドルフ教育は音楽の早期教育とは相容れない訳です。


image


登紀子もママさんコーラスの練習でこのヴァルドルフ教育における五音階の意味などをドイツ語で説明する必要などあっていろいろ苦労したようです。僕は手書きで読みにくい楽譜をMacの楽譜ソフトで書き直したりなどして手伝いました。


image


ランタン祭りというのは、聖マルティンのお祭りです。この聖人の逸話というのは、馬にまたがってやってきた聖マルティンが凍える乞食に自分のマントを半分に裂いて与えたというものです。森を練り歩いて幼稚園の庭に戻ってくると、Martinshörnchenという、角笛ににた形のパンを隣の人と半分ずつに分けて食べます。このパンは幼稚園で子供たちが先生と一緒に焼いたものです。
健登は始めてこのランタン祭りに参加した後は、しばらくの間、いかに聖マルティンの行いがかっこいいか、ということを毎日のように僕に語っていました。こういう形で実践を伴って子供の中にモラルが形成されるのは本当にすばらしいことですね。


image


僕はこれが人智学のベースの一つだと思っているんだけど、実践を伴った論理、感情を伴った学習、納得を伴った説明、みたいなのが如何に体にしっかりと根を下ろすことか。僕自身は、早期教育のメッカみたいな東京で詰め込み受験勉強をばっちりやってしまったのですが、それでもその中で、やはり自分が体を持って学んだことの方がずっと深く自分の中に入っていることをはっきり感じています。


image


やっぱり幼稚園のすぐ裏が森になっていて、そこに毎週木曜日はWandern(お散歩、かなぁ)にいける、という環境はすばらしいなぁ。いつも行っている森の中にこうやってランタン祭りのときだけ暗闇の中、みんなで入っていくというのは独特の雰囲気があります。歩いている間もずっと聖マルティンの逸話を歌詞にしたランタン祭りの歌を歌いながら行く訳です。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です