ヴァルドルフ小学校 建物の借受の記者会見



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今日は、急に電話をもらって、記者会見に参加することになり、いってきました。健登が行くことになるであろうヴァルドルフ小学校の設立活動が進んでいる訳ですが、今日は学校がゲラ市から借り受ける建物について、契約(というか、議会の決定までは「申し合わせ」みたいな形らしいですけど)をするので、その調印というか、サインをするのをかねて記者会見となったようです。で、熱心にこの活動に参加している親にも記者会見に参加してほしいと。それにしても、どうして当日になって連絡がくるの?とか思いながらもなんとか予定をやりくりして参加しました。




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前からこの建物の話は、僕はハースさん(最初の写真の左の人)から聞いていたのですが、この合意が公式に成立するまではおおっぴらに言えないところがあったみたい。建物がどこになるのかわからないと、親としてはこの学校に子供をやろうとはっきり意思表示できないという事情もあって、この建物に関しては公的発表を待ち望む声が強かった。今日ではっきりする訳で、これは大変よかったです。
ハースさんは、ビーレフェルトというところのヴァルドルフ小学校の先生をしている人で、ゲラのヴァルドルフ小学校の設立責任者というような形で、この活動を先導してくれている人です。
この方、元々は音楽家、というか、今も音楽家だけど、音楽教師が専門でヴァルドルフ小学校の教育に20年以上携わっている人です。僕は、この人が大好きで、この人が1年生、つまり健登のクラスを担任としてみてくれるということがはっきりした先月、「健登が行くのはもうこの小学校以外にない!」とはっきり思いました。
作曲もされるのですが、指揮もするとのことで、カルミナ・ブラーナをゲラで近いうちにやりたいとおっしゃっていました。10月の幼稚園のお祭りでは、サーカスの団長という役どころで登場し、自作の歌を使って楽しいイベントをやってくれました。健登はその曲のサビの部分をその一度だけの体験で憶えちゃって、うちで遊びなら、よく歌っています。「Fumba, fumba, fum ba ba te te rä!」ってね。


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話がそれる。ハースさんのことはまたゆっくり書きます。1月に多分やることになる小学校設立のためのチャリティーコンサートではハースさん作曲の歌曲も歌うかもしれない。
えーと。で、僕は今日は予定があったんだけどやりくりして参加しました。まず建物をみておきたかったこと。ゲラ市からなんと1ユーロで借り受けるという話は聞いていて、最近改修された、スペース的には広すぎるくらいで、裏には森や野原があって最高の条件だ、と言うことだったんですが、やっぱり自分の目で見たかった。


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隣にはカトリックの教会があって、この教会との共同プロジェクトの話もいろいろ出ているようです。
今日の記者会見の話を聞いていて、いろいろわかったことがありました。
実は、記者がえらい遅刻してきて、もう既に始めてはいたんだけど、その新聞がメインだったので、最初の部分は割とフランクな感じで話が進んで、よけいに本音がいろいろ出たのかもしれない。
この小学校設立運動は、どうもいろいろ問題もあって、僕はその問題についてこのあいだハースさんに時間をとってもらって話をしたんだけど、ちょうどハースさんもそれらのことを問題にし始めたところでちょうどよかった。まぁそれは良いとして、いろいろ問題があるプロジェクトにしてはゲラ市との交渉がえらいうまく行っていてちょっと僕は変な感じがしていたのです。
市長の話を聞いてよくわかったのは、まず彼自身がドイツ統一以来このヴァルドルフ教育というメソッドに興味を持っていたということもあるようだけど、やはりドイツ全体だけでなく世界規模で教育のメソッドとして広まっているヴァルドルフ教育をゲラに招致することで、ゲラにもっと人が入ってくることを期待しているらしい。
現在は一番近いヴァルドルフ小学校はイェナなので、50kmの彼方なんですね。で、ゲラから毎日通っているヴァルドルフ小学生も結構いるのです。ゲラがヴァルドルフ小学校を招致すれば同様の効果が期待できる。つまりゲラの周りから人がゲラに入ってくる。
それと、ゲラの市内からゲラの近郊の村に引っ越していく人というのが結構いるのですが、その大半の人たちは、やはり市内の方が暮らしやすいと後悔しているような状況があるそうです。そういう人たちも含めて、近郊の人たちがゲラに戻ってくるきっかけとしたいようです。


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調印をしているのがイェナのメラー氏なのは、まずはゲラのヴァルドルフ小学校はイェナのヴァルドルフ小学校に経営に関しておんぶする形で、経営者は当面、イェナのヴァルドルフ小学校になります。それで、サインするのは彼の役目な訳です。
この他団体からの経営援助が得られずに、途中で挫折した小学校設立運動が結構あったそうです。カトリック教会の小学校もそうだったとか。
設立活動をしている人たちは、僕がなんとか都合を付けてきたことを大変喜んでくれました。「子供の親の中に、市長が知っている人がいたのはとても良かった」とのこと。僕が劇場で歌っているので、市長は劇場のスポンサーでもありますから、頻繁に来ている訳で、記者会見のなかでも「よく見たことのある顔を意外なところで見つけてうれしい」みたいなこともいっていましたから、まぁよかったのでしょう。
とはいえ、まだこの建物の中はいろいろ作業が必要ですね。ヴァルドルフ教育では親の参加が特に重要視されていることもあり、この建物を小学校として使えるようにするまで、われわれPTAの出番はかなりありそうです。

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