4月30日にプレミエを迎える、モーツァルトのオペラ「コシ・ファン・トゥッテ」の音楽稽古が進んでいます。キャスティングもかなり紆余曲折があった後、僕は結局アルフォンゾになりました。ちょっと僕にとっては想定外だったんだけど、まぁ仕方ない。どうも新音楽監督は僕をバスバリトンだと思っているらしい。10月にマーラーの「さすらう若人の歌」を一緒にやったじゃないですかー、といいたいところだけど。(あのマーラーはほとんどテノールの音域を要求される曲だから)
グリエルモを歌うBernhard Hänschと、ドラベッラを歌うNicole Oberüberが、今舞台稽古中の「Feuerwerk(花火)」というオペレッタに乗っているので、音楽稽古はこの二人をのぞいたメンバーで行っていますが、今は主にコレペティの段階。個人稽古ですね。でも、レチタティーヴォ・セッコが多いので、出来るときは何人か集まって一緒に稽古するようにしています。
僕はカンタンティ・コミチというオペラグループの本公演で1992年に「コシ・ファン・トゥッテ」をやったときはグリエルモを歌ったんだけど、その前にカンタンティ・コミチが出来たばかりの、芸大の芸祭公演では、じつはドン・アルフォンゾを歌っていたんですね。もう19年前です。驚いちゃうなぁ。時間が経つのは速い。そのときに指揮をしていた星野貢さんは、今はオーストリアのクラーゲンフルトの劇場で働いていらっしゃいます。
コシ・ファン・トゥッテの最初の場面は、男3人のシーンなんですよね。こういう男だけのシーンって、実はそんなに多くなくって、この間の稽古ではベルンハルトも来られたので、3人でこのシーンをやりましたが、楽しい。こういう楽しさは久しぶりだ。なんだか高校の部活の気分というか。
立ち稽古は再来週からです。演出家は、今ウィーンの州立歌劇場で「ブロウチェク氏の旅」を演出している、アニヤ・ズュンダーマン女史。どんな演出になるのか楽しみです。噂ではまた僕ははげのカツラだとか・・・。