「コシ・ファン・トゥッテ」の立ち稽古

順調といえるかどうかわかりませんが、ペースとしては一応ちゃんとすすんでおります。 


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1幕は全部一応立ちがついて、この間1幕だけの通しをしました。
2幕は意外に出番の少ないドン・アルフォンゾ。でも、役としてはストーリーの進行を管理するような立場なので、歌わない場面でちょこちょこ舞台に登場しますね。写真はアルフォンゾの衣装スケッチ。




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今回の舞台もヴァネッサに続いて八百屋(斜め舞台)で、立ち稽古をする稽古場にも八百屋のやぐらが組まれています。
本番通りの状況で稽古できるのはもちろんありがたいことなんだけど、これ、結構コシに来る。いや、ちがう。腰に来る。
僕の場合は腰というより足と背中が全体的に疲れる感じなんですが、他のキャストは腰に来るといっておりました。


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舞台模型の写真を載せてみます。
左手前から右奥に向かって上がっていく、変則型の八百屋舞台です。大きな転換はなくて、いっぱい舞台と言っていいのかな。まだ2幕でどうなるか把握していない部分もあるけどね。


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男だけの1幕第一場は、手前の部分で演じられます。ポータルより前、手前のベンチがおいてあるスペースです。で、そのときは後ろの舞台は幕で隠されている。賭が成立した時点でアルフォンゾが幕を取り払い、この写真の状態になります。


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今も稽古から帰ってきたところなんだけど、実は結構悩みもありますね・・・。
前の日記で書いた とおり、演出のフーゴーは、急遽ピンチヒッターとして立ち稽古開始直前にこの演出を引き受けたので、装置や衣装は元々演出する予定だったズュンダーマン女史のプランですでに製作が進んでおり、フーゴー自身もそれほど準備期間を取らずに立ち稽古を始めなくてはいけなかった。
だから、他のコンセプトでプランニングされた衣装と装置の中で・・・ある程度の変更はもちろんしたはずですが・・・演出家としての稽古プランも十分に練る時間をもてずに立ち稽古を始めなかったフーゴーにとっては、かなり辛い状況なわけです。


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僕ら歌手たちは、もともと歌手としてのフーゴーの同僚だから、その辺のところは察して出来るだけ協力するわけですが、時間的な圧迫もあり、フーゴー自身もかなりいっぱいいっぱいになってしまっている感じなわけです。


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僕の歌うドン・アルフォンゾと言う役は、そのフーゴーが歌手として何度も歌っている役なので、彼としてもかなり思い入れが強いようだし、「このオペラを回していくのはアルフォンゾだ」と、何度も強調するので、僕としても彼の思い描くアルフォンゾ像を出来るだけ忠実に表現できるように頑張っています。


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このドン・アルフォンゾという役は、一人だけこのオペラの中で年齢層が違う役だし、カップルに属さないデスピーナとももちろんストーリーとの関わり方が違うので、特殊な役といえると思います。
難しくもあるんだけど、その分演じ甲斐もある。


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最初はグリエルモを歌うという話だったので、そのつもりでいて急にアルフォンゾになったと聞いたときは何となくがっかりしたんだけど、ある意味ではグリエルモよりはずっと面白い役であることは間違いありません。
まぁまだ若いんだから(いや、オペラ歌手としてね)若い役をやりたい、というのは基本的にありますけどね。

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