東テューリンゲン・ヴァルドルフ教育学校協会の総会

しばらく学校設立運動からは離れていたのですが、久しぶりに顔を出せました。

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今回の総会は、ゲラのヴァルドルフ小学校で行われる初めての総会でもあるので、何とかいけるようにしたかったので、参加できて良かった。それと、僕はここのところ設立運動の会合に出られていなかったので、ゲラのヴァルドルフ小学校が9月に動き出してからまだ足を運んでいなかったのです。設立運動のメンバーや子供達の親が頑張って改修工事をした学校をやっと見ることが出来ました。写真はHort(放課後に子供が過ごす場所)にあるJahrestisch(季節のテーブル)です。カボチャや花束が飾ってありますね。



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この学校協会は、イエナにあるヴァルドルフ小学校と、この9月にスタートしたゲラのヴァルドルフ小学校を経営する団体で、僕はそこの理事を1年くらい前からやっているわけですが、この夏は自分の仕事が忙しくて、9月の学校スタートの直前だというのに全く参加できなかった。嫁さんは何日か手伝いに行って、子供達が使う黒板を作ったりしたようですが。この写真がそうですね。

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本当に、これが1ヶ月前には「これで9月から授業をはじめられるの?」という状態だったとは信じられません。みんなよく頑張ってくださいました。手伝えなくてごめんなさいねー。

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Frau Dernが担当している手作業の綿をつかっての授業の様子、Herr Pützが書いている途中の宗教画、黒板画、本当にゲラにヴァルドルフ小学校が出来たんだーと言う実感がやっと湧きました。何だか人ごとみたいですが。

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さて、総会の方ですが、実はかなり紛糾して長くなりました。
この協会はゲラとイエナの両方の学校を経営しているわけですが、元々はイエナの小学校のための協会で、去年名前を変えて規約を変えてゲラの小学校も経営できるようにしたわけです。でも、現時点ではゲラは2クラスしかなく、イェナは15クラス+幼稚園ですから、規模が全然違います。協会の会員は殆どがイエナの人なわけです。その総会をゲラでやって、イエナの人たちは30km車で走ってこなくちゃいけなかったわけで、これでまず不満が噴出。
でも、これは前段がありましてね、いま、イエナのPTAと学校の経営者メラー氏との間に諍いがあるのです。
 
ずっと前にあげたエントリ(2006.11.16 )にもやんわり書いたんですが、イエナの学校体制にはかなり問題があります。まずこの経営者のメラー氏、独裁者タイプでね、かなり問題はあるんです。実際、僕がなぜ理事になったかというのは、このメラー氏の横暴を食い止めるためでね。ゲラの学校のアイデンティティをなき物にしようと、そういう学校の組織構造を作ろうとしていたメラー氏に、将来の生徒の親という立場で対抗して欲しいと頼まれたのです。で、僕はその仕事は、自分の出来る範囲でしたし、そのせいでかなりメラー氏にはにらまれたというか、疎まれたのですね。イェナの他の理事からも同じように見られました。今まではメラー氏の方針で上手くいっていたわけですからね。
ただ、今回のゲラの設立運動の中で、我々がなぜ自立した小学校を作りたいか、なぜそこまでこだわるかという事がイエナの人たちにも少しずつ伝わってきたようで、僕が憎まれ役を買って出た甲斐も少しはありました。
 
話を戻すと、メラー氏が色々なことを勝手というか水面下で進めようとしているので、反発する親が出てきて、今回の総会はその親たちから特に注目を集めていたのです。それなのに、ゲラでやるというのでイエナの親御さん達には参加できない人もいたし、同じ日に父母会があったクラスもあって、それも非難の理由でした。もっともだね。
僕にとっては今後のため、イエナの両親達にどの程度メラー氏の行動が把握されているかなどを見る良い機会でしたね。
 
この総会の具体的な議題は、学校が将来必要となる不動産を二つ買おうとしていることで、それを議決する必要がありました。
一つはゲラの小学校近くの建物で、かつては幼稚園として使われたいたが、今は殆ど空き家の建物。市からなんと1ユーロで譲り受けられました。価格が1ユーロでも、1年の維持費が2000~3000ユーロかかるのです。冬にある程度暖房を入れておかないといけないしね。
で、11ブロックあるのですが、そのうちの6ブロックだったかな、老人養護施設が10年契約で入りたいという事になって、これで改修工事などのめども立ちそうなわけです。で、やっぱり手放さずに改修・貸し出しをして、将来、今の建物が一杯になったときにHortをそっちに移そうという計画なんです。
もう一つはイエナの先生用の住居として不動産を買おうという話。イエナのヴァルドルフ小学校は町はずれにあって、市内から近いとはいえない。またその付近の住宅物件はどれも分譲ばかりで、先生として雇われたばかりの人が近くに住める状況じゃないのですね。それを何とかするために、学校が不動産を買って、先生に貸し出すシステムにしたいと。
これ、二つともイエナの親御さん達からは大反対を食らいました。総会で話し合われる議題が、教育と直接の関連を持たない不動産の話ばかりで、親たちが関わりたい議題が出てこない、そんな金があるなら教育の方に回せとか、大体プライオリティの認識が間違ってるってね。もっともです。

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イエナのヴァルドルフ小学校には、運動場がないのです。
学校の建築などは、シュタイナーの建築学などを取り入れた、大変立派なものですが、どういう経過でそうなったのか、運動場への土地の配分が出来ておらず、近い将来に運動場が確保される予定もないと。こっちの方に努力して欲しいという具体的な要望もあってのことです。

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幸いゲラのヴァルドルフ小学校の方の近くに広い運動場もあるのですが。ゲラの方はかつての市の小学校の建物が使われずに放ってあったのを上記の幼稚園の建物と一緒に1ユーロで譲り受けたわけです。
メラー氏、かなり開き直ってましたねー。「僕が経営者として無能なだけかも知れないが、これ以上の仕事は無理だ」とかね。この幼稚園の建物に関する予算の計上が前回の総会の時に配られた資料に為されていなかったりしたのもあって、その辺をつつかれたり、まぁそれはちょっとかわいそうかな、と言う攻め方をする親御さんもいたけど。
これからはイエナの親御さん達とも出来るだけ連絡を取り合って行きたいと思います。色々な意味で隔たりもあり、イエナの親御さん達には、ゲラにまで手を広げるよりイエナの方をしっかりやって欲しいという人もかなりいると思うのですね。もちろん、ゲラの経営を請け負うに当たっては総会の決議があったわけですが。
どのくらい密にこの問題を追いかけられるかちょっとわかりませんが、日本のヴァルドルフ小学校関係者の皆さんもドイツの学校運営に興味をお持ちの方がいらっしゃるようですし、出来る範囲になりますが、頑張ってレポートしてみます。

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