今日はリゴレットのHPでした。HP(ハウプト・プローベ)というのは、照明も衣装もメイクもありで、オーケストラと行う、まぁほぼ本番と同じ様にやる通し稽古です。
今回ダブルキャストだったこともあるのですが、これが実が僕にとっての初めての通し稽古!ピアノで通し稽古を出来なかったのです。
日本でのオペラ公演の常識からすると信じられないことです。HPでは、照明の都合やら舞台装置との関係、指揮者の角度やモニターの見え具合などを全て本番通りにしなくてはいけないわけで、まず衣装が歌いにくくないか、靴が滑らないか、小道具がうまく準備できるかなどをまず通し稽古で確認してから、段階的に本番...
の状況に近づけるのが普通です。
それに今回は、僕は舞台上で何度も着替えます。つまり音楽の長さと着替えのタイミングをまず他の稽古でためして置く必要があったのですが、それらも全てこのHPで初めてやることになったのです。
どういうプロセスでダブルキャストの稽古の配分がなされているのか、まだこの劇場での物事のすすみ具合がわからない部分があるので、いきなり文句を言ってもなんだしなぁと思い、まぁいわれたとおりにやることにしましたが・・・。
まぁ大変でしたが、大体計画通りに事は進んで、おおむね満足な稽古でした。
初めて僕が通して、いわば僕のリゴレットの全体像を初めて示すことが出来た稽古だったわけですが、稽古の後のダメ出しで演出家に、「細かなことをいう前に。今日の稽古は良かった。こういうリゴレットを見たかったんだ。ありがとう」と言われました。これは結構感動しましたね。あまり誉めない人だから余計にね。
それからもう一つ嬉しかったのは、衣装のデザイナーにすごく誉められたことです。
さっきも書いたように、僕が衣装を付けて稽古をしたのはこれが初めてだったのですが、「あなたはまるでずーっと前からこの衣装を付けて稽古していたようにこの衣装がなじんで見える。素晴らしい!!」と、とても喜んでくれていました。
僕は、「以前からその役の人物でいる様に見える」ことに結構こだわっているので、この言葉はとても嬉しかったですね。
あとは明日のGP(ゲネラル・プローベ)を残すのみです。
2001年6月7日(木)スクリプトで読み込み