テューリンゲン州とザクセン州のあわせて4紙に批評が載りました。
そのうちライプツィヒ・フォルクスツァイトゥングにはカラー写真が載ったので、ここに載せてみます。この写真は、第2幕の僕のアリアの場面ですね。宮廷の佞臣たちが杖で僕を突いているわけです。佞臣達に囲まれて、つえで突かれながら「娘を返せ!」と叫んでいるところです。
ここの場面は結構運動量的にハードでした。アリアの前奏までは、...
公爵のいる上手後ろ側に行こうとするのを連中に阻まれて、押し倉饅頭をしているわけですが、前奏最後の1小節で客席方向に突き飛ばされて、待ちかまえていたボルサとマルッロがやはりつえで僕の足を引っかけて、僕はつまずいてすっ飛び、オケピットの際にもんどり打って倒れるというわけです。この写真のところではもう数フレーズ歌っているので体が起きていますが、アリアの日本語で「悪魔め鬼め」と言うところは、転んで寝ころんだまま歌い出さねばならんわけです。けっこうきつかったっすね。
このワインレッドがベースのヤッケは、裏返すとグレーのハウスヤッケになります。着替えを舞台上で何度もするのですが、それは家庭でのリゴレットと宮廷での、いわば仮面をかぶった道化としてのリゴレットの二面性を視覚化するもので、このプランはうまく行っていたと思います。背中にこぶがあるから着るのが大変だったけど。
序曲からもう舞台にでてこのハウスヤッケから道化のユニフォームに着替えて、憎き宮廷へ「出勤」する様を見せたのですが、これもなかなか良かったと思います。
今日、劇場に行ったら、守衛さんのところに僕宛に手紙が届いていました。何かと思って開けてみると、ある日本人の女性からの手紙でした。全く偶然にアルテンブルクでリゴレットのプレミエを見たそうなのです。もちろん日本人がタイトルロールを歌うとは知らずに。
それで感激して手紙を下さったのですが、これは非常に嬉しい驚きでした。
私信なので全く引用するのはなんですが、今までフランクフルトやミュンヘン、ザルツブルクなどで何度もオペラを見ていらしたそうですが、これほど感動して胸が熱くなったステージは本当に久しぶりだと書いて下さいました。これは本当に歌手冥利に尽きる想いでした。
もう今日から来期の最初の新演目になるドン・ジョヴァンニの稽古が始まっていますが、劇場の同僚にあって、リゴレット初日の話を聞いてみても、自分のやりたいことが大体出来ていたという手応えがありました。悪くないです。
今期はリゴレット公演は全部で5回、うち2回はもう一人のリゴレットが歌うので、僕は6月22日と7月1日の二回です。そして7月2日からは晴れて6週間の休暇!!!
いや、その前に6月最後の週はゲルリッツというところで二回ヴェルディ・ガラを歌うのです。
暗譜しなくちゃ。ナブッコのアリアは初めて歌うので。
休暇はベルリンに行くのです。わはは。
普通は田舎に行くものだけど、田舎に住んでいるので都会に行くのです。
それにしても、ドイツ語でのジョヴァンニは歌いにくい。
2001年6月12日(火)スクリプトで読み込み