ロンドン行きの準備、等々

イングリッシュ・ナショナル・オペラのチケットが届きました。そう、再来週はロンドンへ行くので、その際にはやっぱりオペラを見ようかと、オンラインで予約したのです。インターネットではイギリス国内以外にはチケットは郵送できないと言うことだったんですが、あとからメールでチケットの取り替えのやりとりをしたときに頼んでみたら郵送も出来ると言うことなのでお願いしました。やっぱり手元にチケットがあった方が当日受け取りより安心ですから。


いやぁ、英語ですよ。ドイツ語はさすがになれてきたけど、英語はやっぱりかなり頭を切り換えないとだめだなぁ・・・。副文で動詞を最後に持って来ちゃったり、ドイツ人みたいなドイツ喋っちゃいそうですよ・・・。切り替わるまで時間がかかるんですよね。イタリア語よりは楽だけど。
 
大体、僕たちはずいぶん長く英語を習っているのにこれだもんなぁ。こんな話をしたあとでは恥ずかしいですが、僕は小学校に上がる前から英語を習っていたらしいんですよ・・・。それなのにこれだもの。嫌になっちゃうね。
 
そう、ニュースの方に書きましたが、二期会のオペラ公演「ワルキューレ」にヴォータン役で出演することになりました。なりました、というか、もうずいぶん前に僕がヴォータンを歌うことは決まっていたんですが、二期会の方から、まだ情報を出すのは待ってくれ、ということで待っていました。
というのはキャスティングの一部など、不確定の部分があるからです。でも先日問い合わせたときに「個人の出演情報としては出してくださって結構です」と言うことになり、お知らせすることが出来ました。僕はこのヴォータン役は、もちろん歌いたい役としてずっと夢に描いていましたが、まだ早いよなぁ、と思っていたし、何しろヘルデン・バリトンとしてはこれ以上ないくらい魅力的な役だから逆に遠慮(?)もあって、「この役、僕いつか歌いたいです」というのも憚られる様な気がしていた役です。
以前、僕にとっての「夢の役」はR.シュトラウスの「アラベッラ」のマンドリカ役と、同じくR.シュトラウスの「インテルメッツォ」のローベルト役でした。でも、幸運なことにこの二つの役を歌う機会を与えてもらって、その後は「何歌いたいですか」と言われても、「とにかくこれ!」と挙げる様にしていた役はなかったんです。それにしても、こんなに早くこのヴォータンを歌うチャンスが訪れるとは思いませんでした。小森、本当に気合い入っていますんで、みなさん、是非是非聴きにいらしてください。2008年2月末、東京文化会館です。
 
・・・とか何とか言って、でもこのヴォータン役の聴かせどころである「ヴォータンの別れ」はコンサートで2度歌っています。一度はゲラの劇場での「ニーベルングの指輪 ハイライト」で、オーケストラと、そしてもう一度は2005年に、服部容子さんとのデュオ・リサイタルで、容子さんのオーケストラ以上にオーケストラとして響くピアノ伴奏で。あの容子さんのピアノは本当にすごかった。ろくおんを何度聞いても鳥肌が立ちます。ローゲに語りかけるところなんて、ピアノとして出せるサウンドを完全に超えてます。うーん。すごい。容子さんの手を見せてもらうと、本当に小さいんですよ。どうしてあんな小さな手からあんなにすごい音が出るんだろう。ピアノという楽器とその演奏法というのは、僕にとっては謎に満ちています。
 
そう、そのデュオ・リサイタルですけども、これもやっと情報を出せました。すいません、遅くなっていて。今回はR.シュトラウスの歌曲です。これも本当に楽しみにしているのです。R.シュトラウスの音楽というのは僕にとってはとても自然で、あんまり頭で考えなくても歌えてしまうと言うか、体が反応する音楽なんですよね。歌いたい曲がありすぎてプログラムを組む作業は本当に大変でした。歌いたい曲を全部いれると一度のコンサートで入りきらないのです。
今回はそれでも、持っているレパートリーを歌うことで済まさずに、あえて歌ったことのない曲をたくさん入れています。日本でほとんど歌われたことがないのでは?と思う曲もたくさん入っています。このコンサートは、考えただけでもう楽しくなっちゃうのです。ヴォータンの方はプレッシャーも強いからね、「うきうき」だけじゃないんですけど、このデュオ・リサイタルVol.3は本当にうきうきです。
前回好評だったこともあるし、僕はやっぱり歌曲でお客様が細かく、リアルタイムで内容をわかってくださることがとても大事だと思うので、今回も字幕を使います。(原稿書かなくちゃ・・・)
8月21日 19時開演、第一生命ホールです!みなさん、是非是非是非いらしてください!
  
話を戻すけど、このヴォータンやR.シュトラウスをバッチリ見てもらおうと、3年ぶりのレッスンを受けるためにロンドンへ飛ぶわけです。メールでの連絡は時々とっていたけれど、会うのは3年ぶりで、これも楽しみ。ハードなレッスンになりそうですけど、彼のスタジオに、また僕の目から出た鱗が堆積することでしょう。

“ロンドン行きの準備、等々” への5件の返信

  1. ヴォータンでの出演おめでとうございます。
    何としても聴きたい。
    今から来年の予定に入れておきます

  2. 小森さんの“ヴォータンの別れ”凄かったぁ?!!
    そうそう容子さんのピアノもローゲのモチーフなんて目の前に炎が燃え立つのが見えましたものね・・・。
    さすがに「全曲」となると心身ともにかなりハード役柄かと思いますが小森さんなら必ず成し遂げて下さるものと信じてやみません。もちろん2月に大雪が降ろうとなんとしても駆けつけます。

  3. >dra-kさん
    お久しぶりです。ありがとうございます。頑張ります。是非いらしてください!
    >えーちゃんさん
    そう、ハードな役です、本当に。スケールが他の役とは違います。もう譜読みは大体終わっているのですが、2幕のブリュンヒルデとのシーンは殺人的です。

  4. >姉御さん
    レス遅くてすいません。ロンドンに来てしまいました。レッスンは明日なので、伝えます。

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