はイタリア語で昨日一昨日と歌ってしまったリゴレット。頭の中のリゴレットをどうやってドイツ語モードにするかです。さらに問題なのは、(このことにはゲルリッツに来るまで気がつかなかった・・・)テンポもルバートも違うということなのです。
それに今日のリゴレットはコンサートじゃないからそうそう指揮者ばかり見ているわけに行かないし、今日の指揮者のオスカンプさんは、ある意味でかなり厳格な人で、ちょっとでも歌手とオーケストラがずれるとぴりぴりするんですよね。
そこで僕が採った方法は、約2時間半のドライブの間にリゴレットのGP(総練習)の録音を聴くことでした。これで言葉も音楽的な状況も、アルテンブルクでのリゴレットモードになります。楽譜をじっと眺めているよりはずっと良い。
アルテンブルクはすぐ近くをアウトバーン(ドイツの高速道路)が通っていないので、走ったことのない田舎道を走ることになります。それで前もってインターネットの地図会社のサイトでルートを調べて印刷しておきました。www.falk.deですが、ファルクという地図会社のサイトで、これはなかなか便利なのでロングドライブの時は必ずここでルートを調べておくことにしておきます。
アウトバーンを離れてからが結構長かったんだけど、なかなか細かい道を通りながら無事到着。
今日はシーズン最後の日なので、劇場全体が「明日から休暇〜」という浮かれた空気に満ちていました。僕はかなり疲労困憊だったけどねー。インテンダント(芸術総監督)もわざわざ楽屋を回って1年のみんなの仕事ぶりをねぎらっていました。
ところで今日はミュンヘンから友人の日本人のメゾ・ソプラノの中杉知子さんが、旦那さんと一緒に見に来てくれました。ローマで勉強した彼女にとってはドイツ語でのリゴレットというのはかなり違和感あったと思うけど。終わった後で感想を聞かせてもらって、やはり持つべきものは友人というか、こういう忌憚のない意見を聞かせてくれる友人というか仲間というか、そういう人は得難い存在だと痛感しました。
公演の方は2回目の公演よりお客さんも多くて、ブラボーもまた沢山もらったし、自分としても技術的にちょっと新しく試してみたことがうまく行って、なかなかハッピーでした。
日本の場合は、2ヶ月とか稽古して1回しか本番がないという事が良くあるから、舞台で何か試すなんて事は、危険だし、それによってリスクが生じるのはもったいなくてとても出来ませんが、こうして同じプロダクションで本番を重ねられると、少しずつ新しいことを試すことが出来るので、これは歌手にとってこの上ない鍛錬・成長のチャンスですね。
声楽的に新たなことを本番で試すなんて。日本では思いつきもしませんでしたよ。
写真は3幕の最後、ジルダの遺体を抱いて歌っているとこです。
明日から6週間の休暇だー
2001年7月1日(日)スクリプトで読み込み