ヤギのチーズ

ヤギのチーズって、日本ではどのくらいポピュラーなものでしたっけ?
うちの嫁さんは結構なチーズ好きだったけど、僕は日本にいるときはそれほどチーズというものに特別の愛情を持っていなかったので、良くわからないのですが・・・。


僕らは今、結構頻繁にヤギのチーズを食べています。それもヤギを飼っている農家に直接買いに行くのです。
この辺の話は実は一度日記に少し書いていると思います。
友人でソプラノの森川栄子さんに教えてもらったこのヤギ農場、栄子さんと初めて行ったのが去年の5月。直売のチーズにすっかり味を占めてその後もかなり頻繁にチーズを買いに訪れています。
ファインシュメッカーというドイツのグルメ雑誌にこの農場の情報が載っていたのを栄子さんが見つけて、おいしいものには目がない栄子さんは「これはゲラの小森家から近いじゃないか!」と、一緒に行くことにしたわけです。
これが大当たり!本当においしいんです。
行くときによって作っているチーズが違ったりするんですが、大体置いてあるのがゴーダチーズ。それからクロッタンというわりとあっさりした生っぽいチーズ、リコッタチーズ、ミルベン・ケーゼ(直訳すると「だにチーズ」)灰色のカビが全体を覆っているピラミッドという名のチーズ、ニンニクとバジリコで風味をつけてあるもの、ブドウの葉でくるんで香りをつけてあるもの、オリーブオイルにつけてあるもの、などなど。
クロッタンはすごく長い期間熟成させてあるものもあり、僕の目には木炭かゴミか(失礼)としか見えないようなものもあります。
良く買ってくるのはやはりオーソドックスなゴーダです。ミルベン・ケーゼやクロッタンも時々買うかな。あと、最近気に入っているのがリコッタ。それと前回は「Ziegen Peter(ヤギのペーター)」というのが新しくでていたので買ってみました。
もともとは、アレルギーの気がある息子の健登に安心してあげられるのは、やはりオーガニックのものなので、健登のために良いだろうと言うこともあって行ってみたのです。ヤギの乳の方が牛乳よりも人間の母乳に成分が近いと言う話も聞いていましたし。でも、いざ行ってみると親の方が夢中になっちゃってね。でも健登も喜んで食べています。
かなり頻繁に買いに行っています。ゲラから車で20分くらいのところですので、ミニドライブみたいな感じでね。農場で直売だから日曜日でも買いに行けるし。どこかのお宅にお邪魔するときは手みやげとして持参することも多いですし。
ゲラの劇場の同僚にこの事を話してみると、知っている人はいないようで、この間ソプラノのダヌータ・デプスキーを連れていったら大喜びして、僕らの3倍くらいの量を買って帰ったのに、次の日に会ったら「もう全部食べちゃった・・・」といっていました。
そもそもダヌータが、アルテンブルクからの帰りにチーズ工場の横を通った時に「あたしヤギのチーズが好きで、この工場で良く買って帰るんだよ」というから「じゃあWetterzeubeというむらのオーガニック・チーズはもう食べた?」と聞いてみたら知らないと言うので連れていったのだった。「こんなにおいしいチーズの存在を知っていてずっと教えてくれなかったなんて、お前はひどいやつだ」と罵られましたよ。ははは。
僕はチーズの専門家ではもちろん無いので、このヴェッターツォイベ(Wetterzeube)のオーガニック・チーズがどうおいしいか、他と比べてどうなのかとかはわからないし、このチーズの特色を説明するのもむずかしいのですが、まぁとにかくおいしくて、いつも買ってくると最後の一かけまでいとおしむようにして食べてしまいます。
そう言えば、ベルリンはオーガニックにこだわる人が多いのですが、ベルリンに住んでいる僕の友人にかなりこういうオーガニックのものにうるさい人がいて、彼にお土産で持っていったら「こんなにおいしいヤギのチーズはベルリンでは手に入らない」とえらくうらやましがっていましたっけ。
実は僕の所属している劇場のゲラでない方の上演都市であるアルテンブルク市は、実はヤギのチーズも有名なところらしいので、このアルテンブルクのヤギチーズもスーパーなどで買って食べてみました。でもこれはちょっとヴェッターツォイベのチーズとは比べものにならなかったですね。
買いに行ったときにヤギを見られるのも気に入っています。息子の健登はまだ怖がっていますが。
何だか動物をぼぉーと見ているのって好きなんですよね。子ヤギが騒いでるところなんかかわいいですよぉ。
この農場ではいろいろなチーズを試しながら、種類を広げているようです。最近郵送での販売もはじめたようですね。チーズづくりには誇りを持っているようで、僕らが日本人だと知ると豆腐の話題になりました。チーズと比較して豆腐は味気ないとか種類が少ないとかいろいろ言っていましたよ。まぁ豆腐には豆腐の味わいがあるんですよとは言っておきましたがね。ゲラのようなところでもスーパーで豆腐が買えるので、結構豆腐というのはドイツではポピュラーな食材になりつつありますが、日本人がみたらげげっと思うような食べ方をしていることでしょう。お米をミルクで煮る人たちだからねぇ。
ベルリンから引っ越してきたときは、食材を中心に手に入りにくくなるものが多いだろうなと思っていましたが、まぁアジア食材はちょっとライプツィヒまでかい出しに行かなくてはいけないとはいえ、こういう土地ならではの食文化というか、情報さえちゃんと手に入れば(栄子さん、本当にありがとうよ)、これはこれで豊かな生活が出来るなぁと思っているところであります。

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我が家の食卓の今回買ったチーズたちです。
手前の白いのがリコッタで左の手前がゴーダ、奥が「Ziegen Peter」
(ハイジを良く知っているとあのヤギ飼いのペーターを
連想してしまいますが)

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ヤギです。かわいいでしょ

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農場の親父さんです。
チーズを見ているのは森川さんとうちの嫁さん。
すごい品揃えでしょ。

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左手前が「ピラミッド」周りに灰をぬった上で熟成させるようです。
その奥の丸いのがゴーダ。横のお皿の上はクロッタン。
色々トッピングが乗っているのもありますね。
その手前がブドウの葉にくるんであるチーズです。

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正面の手前にあるのが、
かなり熟成期間が長くなってきたクロッタンです。
やはり僕にはゴミみたいに見えちゃうんだけど。

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桶のような容器に入っているのがミルベン・ケーゼ(ダニチーズ)。
ちょっと名前は嫌だけど、めちゃくちゃおいしいですよ。
画像をクリックすると拡大したものがご覧いただけます。
(2002.7.31)

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