また雨

昨日は「ランメルモールのルチア」の本番でした。一昨日の午前中に直し稽古があって、夜はオーケストラ、装置、照明もあわせて、ほとんど本番と同じ状態で臨む再演用通し稽古でしたので、4日連続でオペラを通して歌うことになり、なかなか体力的にきつい4日間です。
火曜日は「ランメルモールのルチア」の直し稽古、と再演用通し稽古、水曜日は「ランメルモールのルチア」の本番、今日木曜日は「リゴレット」の直し稽古と「リゴレット」の再演用通し稽古(装置、照明、衣装あり)、明日はリゴレットの本番。もしかしたらリゴレットの本番の前に「さまよえるオランダ人」の立ち稽古も入るかも知れない。

で...


も昨日の本番はなかなか良い出来でした。演出家もご満悦。
本来この本番を降るはずの指揮者、トーマス・ヴィックラインが病気で、マンハイムから別の指揮者が来ました。ウィーン生まれの人でなかなかこれが良かった。テンポは全体的に早めになったけれど、しまった感じになり、舞台の緊張感も増したんじゃないだろうか。

ところで、昨日の夕方はまたすごい夕立になりました。

多分みなさんもご存じだと思いますが、ドイツ、チェコ、オーストリアなどで洪水が大きな被害を出しています。
ドイツでは特に旧東ドイツの地域に被害が大きいのですが、幸いここゲラにはおよんでいません。
ニュースを見た多くの方が心配してメールなどを下さいました。ありがとうございました。僕らは無事です。
外国で生活していると、こういう時のみなさんのお気持ちは心に染みます。特に僕らの場合は同じ街に日本人が僕ら以外に2人しか居ないわけですから。本当にありがとうございました。
もっともうちの劇場のもう一つの演奏場であるアルテンブルク市では若干被害がでています。

プラハ、ドレスデンなど、僕にとって思い出深い都市で大変な被害がでていて、つらい気持ちになります。
ちょうど少し前に「ベルリンの秋」という本のことを書いたときにもこれらの都市との関係は少し書きましたけれど。

悲惨なのは、特に上流で、何の警告もなしにこの被害にあった人たちです。エルベ川は旧東ドイツにあるせいで、治水政策が行き届いていないのです。もっともこんなすごい水害では、仮に設備が整っていても無傷ではいられなかったと思いますが。
それからタイミングもあります。
ドイツ統一から12年が経って、やっと旧東ドイツの街が旧西ドイツに追いついてきたところで、この12年の成果をまさに叩きつぶされてしまった間があるのです。手間をかけて時間をかけお金もかけて家を建てたり街を整備してきたのに、それが全部一瞬にして振り出しに戻ってしまったのです。
この事は旧東ドイツ地域に住む人たちにとって、大きな心の傷を残すような気がします。

僕らには大したことは出来ないけど、何かしなくちゃと思っています。
とりあえず、「ファン感謝デー」ではかなりの募金が集まったようです。(僕らがサイン会をしている横で集めていたけど、サインよりこっちの方が盛況で本当に良かった)
それから、乳児のための食品が特に足りないと聞いたので、健登に買ってあったビンのベビーフードや、急にやめたのでのこっていたミルクなどを寄付しようと思っています。

僕らの生活の中で怖いと思っているのは、洪水であふれた水が汚染物質などを取り込んで、上水道が汚染されることですね。ゲラの水源は4つあるそうで、あまり地下水には頼っていないと言う話ですが、この辺のことは少し情報を集めなくちゃいけないと思っています。
2002年8月22日(木)スクリプトで読み込み

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