今日は日曜日。「さまよえるオランダ人」のプレミエが後1週間後に迫りました。
とはいえ、今日の本番はドニゼッティの「ランメルモールのルチア」。全くスタイルも題材も違うオペラです。頭を切り換えないといけません。
前に日記でお伝えしたかと思いますが、先週の週末、土曜日に行われた「ランメルモールのルチ...
ア」の公演ではウクライナ人のテノール、ユリ・スヴァテンコ君がすさまじい演奏をしてくれたので、こっちも気が気じゃない感じで本番を終えましたが、今日はプレミエも歌ったイェンス。もう他の演目も色々一緒にやっているし、結構気も合うので、安心して本番を務められました。
考えてみると、今まで僕がこの劇場で歌ったプレミエは、いつも彼が一緒だったんですよね。「リゴレット」の時は、僕がリゴレットで彼がマントヴァ公爵、「ドン・ジョヴァンニ」の時は僕がドン・ジョヴァンニで、彼がドン・オッターヴィオ。「ランメルモールのルチア」では僕がエンリーコで彼がエドガルド。来週の「さまよえるオランダ人」には彼はのっていませんけど。
前回のユリと一緒の本番の時は僕も調子が悪かったので、結構隣で歌っている人が苦しそうというのは僕の方にも影響があって辛いものがありました。
段々天気が悪くなってきたせいか、今日あたりはお客さんの入りもとても良くて、なかなか盛り上がりました。今日夜散歩して帰ってきたら息が白いんですよ!びっくりしました。やはり暖かくて遠出したくなるような陽気の日は客席は寂しくなりますね。
さて、今日は日本でも話題になっているとおり、ドイツの総選挙の投票日です。最初優勢だったシュトイバー、洪水の後に打ち出した政策などで盛り返したシュレーダー。どちらになるでしょう。先ほどニュースサイトを見てみたら、二人の首相候補が属するCSU/CDUとSPD両党の得票は、全くと言っていいほど並んでいるようです。今の時点のグラフが出ていたのでちょっとここに引用してみました。
テレビでの討論会では、弁が立つシュレーダー首相の方が圧倒的に有利に見えましたが、やはりバイエルン州の首相としてドイツ一の低失業者率など数字で見るとはっきりシュトイバーの優勢が見える部分もあり、本当に最後まで判らない選挙になりそうです。
ところで二枚目の写真は、今日うちのポストに入っていたビラなんですけどね。場合によってはドアのノブにかけるように作ってあるようです。
PDSという政党のビラですが、直訳すると・・・
「おはようございます。今日は選挙に行って、2票ともPDSに入れるように」
という文なんですよね。まぁ「入れるように」というのはちょっと僕が脚色した感じもあるけど、一応文法的には命令形が使われているわけで、表現としてすごく遠いわけではないと思います。
こういうビラに書く文としては、日本人からはちょっと想像しにくいというか、理解しにくい文体ですよね。何だか感心してしまいます。比較していうと、日本の方が丁寧といえば丁寧だけど、感情に訴えるようなものの言い方が多いようにも思いますね。
全然関係ありませんが、「ランメルモールのルチア」の後、我が家から徒歩5分ほどの、ゲラ中央駅に出かけました。家族3人で。というのは、今週と来週の週末、蒸気機関車がゲラとチェコの間を走るのです。それで電車全般が好きな健登を連れて見に行ったわけです。
実は、嫁さんと健登は、昨日の土曜日の朝、出発する蒸気機関車をすでに見に行っていて、えらい興奮して帰ってきたのでした。健登は「こわいー。おうちかえるー。かっこいいー」と繰り返していたそうですが、嫁さんはかなり喜んでいました。で、僕も見たくなったわけで。
写真を撮ってきました。ゲラが終着駅なので、入ってくるときはただ減速するだけで、土曜の朝のゲラを出発したときの「出発進行!」の迫力はなかったのですが、その後車庫に向かうべく走り出したときはかなり迫力ありましたねー。鉄道マニアみたいな人も来て写真を撮っていました。
最寄りの鉄道の駅で、蒸気機関車が見られるというのは結構すごい話だなぁと思ったりします。
2002年9月23日(月)スクリプトで読み込み