劇場に足を踏み入れた

今日初めて、ゲラの劇場の中に入りました。
なるほど小振りな劇場ではありますが(客席数は600席ほど)、舞台空間は広い。特に奥行きが。僕は文化庁の芸術家在外派遣研修員の時に、研修テーマを「ヨーロッパのホールの音響と発声・発語技術」というふうに設定しました。日本でもオペラがちゃんと出来る奥行きの深いホールが増えてきましたからね。そこで、今までの日本で普通だった歌舞伎の影響を受けている横長の舞台でのつもりで歌っていると、違ってきてしまうのです。何がって、例えば、言葉の発音をしっかりしないと広い横と奥の空間に響きが飲まれてしまったり、だからといって発音ばかりしっかりしていると声の共...


鳴のバランスが崩れて「響きのない声」になったりと。まぁこれについても改めて別のページで。

古い劇場・・・といっても1902年に建てられたユーゲントシュティルの様式の劇場で、再来年100歳になる程度の・・・ですが、2階からも1階からも見やすくできていて、好感が持てました。オーディションの時はコンサートホールで歌ったので、こっちのホールにはまだ足を踏み入れたことがなかったのです。

シュトゥディーンライター(どう訳したら良いんだろうか?練習を組んだり自分もピアノを弾いて稽古をつけたりする人です。現場音楽スタッフの責任者かな。今、日本人女流指揮者の天沼裕子さんはベルリンの近くのマグデブルクでこの立場にあります)のシュトレさんの話では、同じ建物の中にオペラの劇場とコンサートのホールが両方あるのはドイツでただ一つゲラだけなんですって。

コンサートホールは非常に美しい内装で、席も900席ほどあり、音響もとても良いのです。オーディションで歌ったときに気持ちよかったのを良く覚えています。

早くこの舞台に立ちたいですね。
2000年8月23日(水)スクリプトで読み込み

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