昨日の「ランメルモールのルチア」最終公演についてエッセイを書いていたのに、それどころではなくなってしまった。うちのGMDのガブリエル・フェルツがシュトゥットガルトに移るんですって!
シュトゥットガルトのオーケストラの音楽監督になるらしいんですが、就任は2004年の8月とのこと。あと1年じゃないかっ!なんで僕らを見捨てるの・・・
もっとも記事の一つには2005年までのうちの劇場との契約はうち切らずに最後の1年は掛け持ちでやりたいと言っているらしいけど、できるのかなぁ・・・。
僕も詳しくは知らないのですが、ドイツの法律ではどうやら、キャリア的にプラス...
になる場合は、インテンダントは契約を途中でうち切って他のポストに移ることを許さねばならないとか。だから契約期間の途中でもキャリア的にステップアップは可能なんですね。
彼の存在は僕の今の劇場生活で、かなり大事な部分なので、これは本当に残念です。彼の能力を考えれば遅かれ早かれ起こるはずだったことではありますが。
ちょうど一昨日、やはり新聞にうちの劇場の人事のことが出ていて、来シーズン一杯で契約をうち切るインテンダントのDr.セルシュ・ムントの後がまが、東西ドイツ統合の後に3年間インテンダントを務めたDr.エバーハルト・クナイペルに決まったと。劇場のリストラに関して彼は多くの課題を抱えるわけですが、そういう中にこのフェルツの話題が入ってきて、ショックを受けている人は多いようです。記事では、「沈みかかっている船から船長が逃げていく様だ」と皮肉られていましたが、キャリアを築くというのは、とにかく自分の道を回りの状況や反応にかかわらずがんがん進んでいくということなんでしょうかね。
そのシュトゥットガルトの音楽監督選考でも世界中から集まった146人の候補者から選ばれたと言うことです。彼がこれからどんどんなをなしていくことは僕も確信がありました。以前にもエッセイに書きましたけどね。
来シーズンのシンフォニーコンサートで、ワーグナーの「ニーベルングの指輪」抜粋をやるのですが、フェルツの提案で、僕がヴォータンを歌う予定なのです。まだ本決まりじゃないんだけどね。
ヴォータンは僕にとってもちろん重すぎる役なんだけど、コンサートで「ヴァルューレ」の最後の部分を歌うくらいなら、まぁやっても良いかなぁと思っているのです。音楽的には素晴らしい作品だしね。フェルツとならば素晴らしいコンサートになるのは間違いないし。
この「リング」が彼と最後の共演になってしまうのだろうか・・・。
2003年7月4日(金)スクリプトで読み込み