さて、こちらの1枚目の写真はプレミエ・プレゼントの山。僕は毎回、チョコレートと決めているんだけど、その役の衣装・メイクで撮った自分の写真にちょっとした言葉を添えてカードを作っています。
僕にとってはこれは毎回、一つの挑戦なのです。ドイツ語でちょっと笑える一文を書くというのがね。今回はこうしました。
2枚目の写真が僕の作ったプレゼントのアップです。
事情がわからないと笑えないかも知れないんだけど、今回も大変好評で、多くの同僚から「おまえのカード、いつも笑える!」と声をかけてもらいました。
これはつまり、音楽との関係で、僕はこの葉巻を吸うというプロセスに大変時間をかけねばならず、一つ一つのプロセスをもったいつけてやる必要があるわけで、匂いをゆっくり味わうという事はもちろん吸うことだけ考えれば必要ないわけですが、そういうのをいちいちじっくりやらねばならなかったのです。
この段取りは後から加わったので、知らない同僚も多かったのですが、ガストン役のギュンターなどは「これを読むとブリューアー教授が稽古でどんなことを言ったのか、目に浮かぶ様だよ」と言っていました。
訳すると・・・
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ジョルジュ・ジェルモンは、今日の「椿姫」のプレミエが楽しいものとなる様に、祈ります。トイ・トイ・トイ(ドイツでの、舞台の成功を祈るおまじない)
僕は先週まで、葉巻を吸うということがこんなに面倒なことだとは全然知りませんでした。
僕がしなくてはいけないことは、まず葉巻のケースの蓋をねじる、蓋を取る、その蓋をチョッキのポケットに入れる(蓋を落とさないために、これは忘れてはいけない)、葉巻を取り出し、そして匂いをかぎ、葉巻に巻いてある紙のバンドをとり、このバンドの匂いもかぎ、バンドをベストのポケットに入れ、そして長々と舐める(これは全然知らなかった)、葉巻カッターをズボンのポケットから取り出す、そのカッターで葉巻を切る、葉巻カッターをポケットにしまう、ライターをポケットから取り出す、そして火をつける。これでやっと吸えるんだ。あぁなんてこと・・・。
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てな感じでした。
さて、明日はナブッコだ。同じヴェルディだけど、役のウエイトが全然違う。気合い入れてかかります。
2004年9月18日(土) No.344