デビューといってもね、出演したんじゃありません。見に行ったんです。今日は「フィガロの結婚」の本番だったんですが、健登はなんと4時間近くあるこのオペラを全部見たのでした。後半は帰るだろうと思っていたら、健登自身が「もっと見る」と言ったそうな。4歳で「フィガロの結婚」全幕見るかなぁ普通。
今日はしかしピットの中が荒れていましたな。スザンナ、バジリオ、伯爵の7番の3重唱は、オケが出られなくて、殆ど数人しか弾いていなかった。歌い出すのは僕なので、あるはずの前奏がほとんど無い状態で「なにっ!?」と思ったんだけど、ああいう場合はとにかく前に進むしかないので、歌い通して、三々五々と入り損ねたオケの人たちも後から入ってきました。芝居をしていたからピットの方は見ていなかったんだけど、一体何が起こったんだろう。まぁ想像はつくんですが・・・。
今日は他の箇所も、オケと歌がずれるところがとにかく多かった。嫁さんに言わせると、ケルビーノの両アリアは特にずれた様で、1幕のアリアは僕も裏で聞いていたけど、あと1mm速かったらもう演奏不可能、というぐらい速いテンポだった。
健登は1幕で僕が椅子の後ろに隠れたら、場の緊張感を受け止めすぎるのか、「パパが見つかったらどうしよう」とえらく怖がっていたそうな。話してみると、結構細かいところをちゃんと見てるんだよね。感心します。
書くのを忘れていましたが、ナブッコのアルテンブルクでのプレミエがあった10月10日、アルテンブルクの新聞に大きく僕の記事が出ました。ここからリンクを張っておきます。
何で思い出した方というと、この記事に「フィガロの結婚」の伯爵を歌っているときの写真が出ていたので、健登に今日これを見せて「今日はパパはこの洋服で歌うよ」といっておいたものですから。
この間の東京でのリサイタルで、アンコール前に僕がしゃべったことなどが大きく取り上げられていて、記事の見出しになっている「Theater muss sein!」というのは、「劇場というのはなくてはならないものだ!」という事です。
2004年10月24日(日) No.353