今日5月5日は日本ではこどもの日ですが、ドイツでは「男の日」です。Maennertag(メンナーターク)と言っていますが、これは旧東ドイツでの慣習かも知れない。・・・と思って調べてみたら、どうも旧東ドイツでは「父の日」を「男の日」と呼んでいたようですね。そう、今年は5月5日が父の日でもあったのです。日本の父の日はもっと後でしたよね。
この日は男がつるんで飲み歩く、というのが習わしなのか、町をほろ酔い加減で歩く男性グループが多いです。
そして、僕は過密スケジュールがまだまだ続く。「魔笛」のプレミエのあとまだ休めていない。健登の誕生日パーティー、「魔笛」の本番、CDのレコーディング。でレコーディングから返ってきた翌日の今日、また「魔笛」の本番。そして昼間に今度の日曜のリーダー・アーベント(歌曲の夕べ)のあわせ。
本当は本番の日にあわせは入れたくないけど、今日を逃すと明日はもうGPだし、前日までバタバタしたくないから、やっぱり今日しかない。
しかも、今日の「魔笛」には、嫁さんも来るし、このリーダー・アーベントでピアノを弾いてくれる片野真子さんもご家族と一緒に来てくれる。頑張らないとね。
で、チケットを取ろうとしたら、もう一杯で良い席がとれない。アルテンブルクでは最近集客状況が悪くなる一方だったので、嬉しくもあるが、不思議でもある。
なんて思って劇場に着いたら、やっと訳がわかった。今日の「魔笛」公演には300人を超すフリーメーソンの会員が来ていたのです。
劇場の横のハイツハウスという建物で、公演開始前にフリーメーソンの会合も行っていたようです。劇場のキャパシティーが550だから、半分以上がフリーメーソン。すごいですよ、これは。
ご存知の方も多いと思いますが、フリーメーソンというのは世界中にある団体で、日本の団体のHPでの説明では、「世界で一番古くからある友愛団体」ということです。いま、またこれを書くにあたってちょっと調べたらゲーテがフリーメーソンの会員だったという記述を見てちょっと驚いているのですが、モーツァルトがフリーメーソンの会員だったことは有名ですね。
そう、「魔笛」というオペラはフリーメーソンと深い関係があります。これを書き始めると大変なので機会を改めますが、今回の「魔笛」のプロダクションでは準備段階から演出家のブリューアー教授がフリーメーソン団体と連絡を取って協力を要請していたこともあり、今回は多分組織として公演に来てくれたのでしょう。
それでなんと、一つびっくりしたことが。有名なテノールのフランシスコ・アライサさん、この人もフリーメーソンなんですね。僕知らなかったけど。嫁さんが、「どうもフランシスコ・アライサに似た人がいるなぁ・・・」と思って見ていたらにっこりされてしまったと。いよいよ似ていると思っていたら、フリーメーソンの会員が皆、名札をつけているのに気がついてそれを見てみたらちゃんと「Francisco Araiza」と書いてあったそうな。びっくり。
僕も嫁さんも、ベルリンにいる頃に彼の舞台はたくさん見ました。この人はドイツものもイタリアものも両方ちゃんと歌う人ですよね。マイスタージンガーのシュトルツィングも聴いたなぁ。
終演後にタミーノを歌っているカーステンに「きょう、アライサが来てたらしいよ」と言ってもなかなか信じてくれなかった。でも最後に「その話を聞いたのが終わってからで良かった・・・」と言っておりました。