テアター・オスカー3度目の受賞

さて、ゲラでのプロウチェクの本番、一つは昨日無事に終わり、後は明日の最終公演を終えれば、後はパッキングをして東京へ再び飛ぶのみですが、今日は今シーズンのテアター・オスカーの授賞式がありました。
これはゲラとアルテンブルクの劇場友の会というか愛好会の様な団体のメンバーが、そのシーズンの出し物で活躍した歌手や役者から投票で選ぶものです。僕は既に2002年と2003年に二度受賞していますが、今回3度目の受賞となりました。偶然この授賞式が、僕がゲラに戻っている期間にあったので、運良く出席することが出来ました。


2004年、つまり前回はこのテアター・オスカーの選出そのものがお休みになったそうなので、僕は3度連続で選ばれたことになります。これは大変嬉しいです。僕がここで歌い始めた最初の回にあたる2001年夏の時点では僕はゲラでオペラを歌っていなかったので、僕は対象になった回は全て受賞していることになります。自分で言うのもなんだけど、これは結構大したことだと思います。
(2001年の夏までには僕はアルテンブルクにおけるリゴレットのプレミエを終えたところで、この時点ではゲラとアルテンブルクの劇場愛好会はまだ一緒に活動しておらず、テアター・オスカーはゲラの劇場愛好会が独自に選出していて、その時点でまだゲラでの公演を歌っていなかった僕は対象外だったわけです。)


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女性部門では、今シーズン「椿姫」のヴィオレッタを歌ったゲルリンデ・イリッヒが選出されました。
受賞へのお礼として、歌手は一曲披露するのが恒例なので、ゲルリンデは「ラ・ボエーム」からミミのアリア、僕は「ドン・カルロ」からロドリーゴのアリアを歌い、喝采を浴びました。
写真はそのトロフィーと、送られた賞状のようなものです。今デジカメが壊れて東京で修理中なので、PDAのカメラでとりあえず撮った様な写真で不鮮明ですが・・・。
この文面がまた、心がこもった感じで大変嬉しい。今シーズンは僕は歌曲の夕べをゲラ、アルテンブルク両方でやりましたので、その点も評価されたようです。住所のセレモニーでは僕もこの点に触れて、今後も是非歌曲の演奏を皆さんの前で続けていきたいと挨拶しました。
劇場の聴衆の皆さんに愛されているという事をしみじみ感じる瞬間でした。また頑張ろう!という気になりますよね。ゲラとアルテンブルクの聴衆の皆さん、本当にありがとう!
ちょっと文面を簡単に訳してみましょう。いつものことですが、直訳調になってしまうのは勘弁して下さいね。
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統合されたアルテンブルクおよび近郊の劇場愛好会、およびゲラの劇場・コンサート愛好会は、2005年のテアター・オスカーを小森輝彦氏に授与します。
敬愛する小森輝彦さん、あなたは2000年/2001年のシーズンからこの劇場のオペラ部門のソリストになられました。そのはじめからあなたは、我々をその強烈な役作りで演技の上でも偉大なる歌唱力においても感動させてきました。
この2シーズンにおいて、アルテンブルクとゲラの聴衆はあなたの演じるナブッコ、「フィガロの結婚」のアルマヴィーヴァ伯爵、「椿姫」の父親ジェルモン、「魔笛」の弁者、そしてとりわけ「ブロウチェク氏の旅」における3つの異なった役を楽しむことが出来ました。
格別のハイライトは、あなたが歌われた歌曲の夕べでした。あなたの暖かく力強いバリトンの声、抜群の発音と偉大な表現力を持って、あなたはあなたの聴衆の心の底まで歌を届けました。ゲラにおける、シュトゥーディオ・ビューネの椅子のために開催されたチャリティーコンサートには、私たちは特に感謝したいと思います。
敬愛する小森輝彦さん、我々は、あなたという歌手を我々の劇場に持つことを誇りに思うと同時に、これからも多くの魅力的な役柄とさらに多くの歌曲の夕べを歌って下さることを期待しています。
大いなる喜びを持って、我々はあなたに、3度目となる我々のテアター・オスカーを、あなたとあなたの家族へご健勝を祈りつつ授与したいと思います。
2005年7月2日 ゲラにて
ゲラの劇場・コンサート愛好会 理事 ヴァルター
アルテンブルクおよび近郊の劇場愛好会 理事 クラウゼ

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