このシーズンに入って、アルテンブルクでの最初のプレミエが先日の「椿姫」だったわけですが、お客様もたくさん入って、我々も気合いが入ったし、シーズン開始の雰囲気を盛り上げました。
両方とも先シーズン終わりになくなったブリューアー教授の演出でしたので、「椿姫」のプレミエでは本来彼がカーテンコールにでるべきでしたがもちろん出来ないわけで、ドラマトゥルグの人が代わりにでて、ブリューアー教授への花束を舞台に捧げました。
この二つの演目が両方ともブリューアー教授の演出と言うことに加えて、アルテンブルクというのはブリューアー教授の出身地でもあるんですね。彼のお父さんは長いことこの市立劇場のコンサートマイスターを務めた優秀なヴァイオリニストでした。
そういう事情もあったので、僕らも気合いが入ったし、来て下さったお客様もそういうことを意識されていたのではないかと思います。思い出せばもう5年前だけど、劇場首脳陣が入れ替わって、アルテンブルク出身のブリューアー教授がオペラ・ディレクターに就任して最初のシーズン開始の時。シーズン開始のガラコンサートがあったのですが、その中で各首脳陣にインタビューをするコーナーがありました。
お客様達はこの新しい首脳陣が一体どんな劇場経営をするのか全くわからないわけですから、割りと冷めた目で見ている感じがあったのですが、ブリューアー教授は登場しただけで大喝采になったのでした。
この間書いたとおり、僕は「椿姫」のアルテンブルクでのプレミエで急遽ジェルモンを歌ったわけですが、どうやら今後は全ての公演で僕がジェルモンを歌うことになりそうです。こういう事は正式発表というのが多分ないまま行くのだけれど、演出助手など同僚の話を聞くと、首脳陣の方ではそういう方針で固まったようです。