「魔笛」の本番



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「椿姫」と同様、かなり間があいて「魔笛」の本番がありました。これは有名な作品だけど、やっぱり台詞が多いし、間が開くと結構きつい演目ですね・・・。まぁ仕方ないけど。
僕にとっては、ドイツ語の台詞をドイツ人の前でやるというだけで、もう硬くなってしまう演目です。僕の歌っている弁者という役は、同じバリトンの役であるパパゲーノに比べたらずっと出番は少ないんですけどね。




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今は亡きブリューアー教授の演出なわけですが、彼は台詞にはかなり細かい注文をしてまして、僕にとってはある意味でほったらかされるよりずっと良かったんですが、難易度が高いことも事実。逆に僕は言われたことはだいたいは出来るので、演出家としては僕の台詞への満足度は高かったようですが、これがまた難しい部分で、ドイツ人が良いと言ったからといって良いとは限らない、みたいな部分もありまして。・・・いやぁこの話し始めると長くなりそうだなぁ。やめとこ。
ちょうどこんな話を某所でした(書いた)ところだったりもするので、何となくこのポイントには引っかかっちゃうんですが、本当に根が深いというか、僕自身解決し切れていない問題なので、やっぱり場を改めます。


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弁者という役は日本でもう歌ったし、ドイツ語で台詞もやってあったんだけど、今回は環境が全然違うし、要求も全然違う。おまけに、ふつうの演出では(というか台本では)二人の僧侶がタミーノとパパゲーノを分担するのに、この演出では僕一人が二人の面倒を見ることになっている。
だから、ふつうはテノールのパパゲーノ担当僧侶がわりとコミカルなキャラクターで、タミーノ担当の弁者がシリアスなキャラクターとはっきりしているのに、僕はこの二つのキャラクターを演じ分ける必要があるわけです。
タミーノもパパゲーノも同世代(どころか多分二人とも僕と同い年)なので、気も合うし、そういう意味じゃやりやすいです。台詞の発音やアクセント、強調の仕方なんかも、僕が間違えていると直してくれるしね。そう、この3人は他にも共通点があるんだった。持っている車が同じなんですな。どうでもいいんだけど。車の話を書こうと思って書いてなかった。
今日の本番はテアター・ターク(劇場の日)で、誰でもどの席でも8ユーロという日だったので、お客さんはいっぱい入っていました。テアター・タークで良いなぁと思うのは、若い人がたくさん来ることです。明らかに高校生くらいの人がたくさん来るので、カーテンコールの雰囲気はいつもと全然違いますね。
ある意味で受け入れられやすい作品なので、盛り上がるんですが、ゲストブックなんかには「やっぱりちょっと長すぎる」という意見も多く見られるとか。確かに長いですよ7時半開演で、僕らがゲラに戻ったらもう12時だもんね。

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