最近、健登のはやりの一つは「影絵」です。
以前にベルリンで、影絵専門の劇場で「ペーターとオオカミ」を見てから、影絵というものに興味は持っていたのですが、何かのときに、うちでランプを倒してスクリーンに影を映したりなんかしたらおもしろがったので、ちょっとうちでもやってみようか?ということになりました。
健登が自分で書いたペーターやオオカミ、狩人やおじいさんの絵を僕が切り取って影絵用の人形にしてみました。
元々、このプロコフィエフの「ペーターとオオカミ」は大好きで、よく聴いていたんです。小さいときはオオカミのあのホルンのテーマが出てくると「こわい〜」なんていってたんだけど、もうそんなこともない。
親ばか丸出しですが、ちょっと健登の音楽への関わり方を見ていて「へー」と思うのは、意外に注意深く聴いていることなんですね。僕は健登を「終止感のある幼児」と呼んでいるんだけど、どういう訳か、どこで曲が終わるかがわかるみたいでね。単に和音が終止感のある和音、とか言うんじゃないんです。そんな和音進行はいくらでもあるからね。でも、どんな曲でも、曲の終わり直前で、持っているものを置いたりして拍手の準備をしている。これ、2歳ぐらいのときからそうなんですよ。
僕は音楽早期教育を受けなかったから、小さいときの音楽との関わりはなかったわけで、この辺のことは大変面白くて、結構注意深く観察していたんだけど、どうも単一の要素だけでなくて、リタルダンドとかハーモニーとか、複数の要素を総合的に判断(もちろん無意識のうちに)しているとしか思えないんですよ。不思議だなぁ。まぁ終止感があるからどう、という事もないと思うのですが。
で、「ペーターとオオカミ」にしても、とても細かく聞いていて、小鳥のテーマがフルートであることを知ると、小鳥の紹介の時だけでなくて、ペーターの音楽の中に小鳥の役割であるフルートが登場しても、ちゃんと反応して自分で小鳥の人形をとって動かすんだよね・・・。
もちろん台詞が入るからそれで理解している部分もあるだろうけど。・・・そう、Loriotという面白いおじいさんが語りをやっているCDを聴いているのですが、このおじさん、本職はなんだっけ?・・・。
誰に似たのか知らないけど、健登はえらい細かいことを憶えていることがあって、こういう語りの中のちょっとした言い回しのことを全然関係ないときに「これはどういう意味?」って僕らに聴いてきたりもするから面食らいます。彼のドイツ語は本当にどんどん進歩してますね・・・追い抜かされるのも近いな・・・。
これの音楽バージョンとしては、この間いきなり、聴いたことない歌を歌い出すから何かと思ったら、去年の夏に見た日生劇場の子供向け人形劇の「スズナ姫」の歌だというんです。これは彼の説明で判明したんだけど。一度しか見ていない人形劇の歌を、8ヶ月経っていきなり歌うってのはどういうんだろうね?
そんなに素早く暗譜って出来るんだろうか。そんな特殊能力があるなら、僕にください!という気持ちになりました。
3枚目の写真は全然関係ないんだけど、嫁さんが作ったステゴザウルス。健登の友達のミゲルの誕生日プレゼントとして嫁さんが羊毛で作ったものです。嫁さんはかなりこれにはまっていて、もう色々作っています。今度また紹介しましょう。ミゲルと健登は一番よく遊んでいると思うけど、健登が引っ込み思案なところがあるのに比べてミゲルはえらい活発な子なので、時々圧倒されたりはしているようだ。ミゲルの方が体は小さいんだけどねー。
でも、この誕生日パーティーの後に迎えに行ったら、「まだ帰りたくない〜」とぎゃーぎゃーさわいで、ミゲルを「He! Du! Kumpel!」なんて呼んでいるのをきいて、大笑いしてしまった。誰から教わったんだろう、こんな表現。Kumpelってのは鉱山労働者という意味だけど、俗に仲間とか親友とか言う意味なんだよね。呼びかけとして使うのははじめてきいたけどなぁ。