右足を引きずりながらの「コシ・ファン・トゥッテ」の本番

昨日はアルテンブルクで「コシ・ファン・トゥッテ」の本番でした。
昨日の朝起きたら、どうも右足首が痛い。変だなぁ、寝る前は何ともなかったのに。と思いながらちょうど健登がトイレに起きたこともあってベッドからでたら、これ、マジで痛い!歩けないほど痛いのです。いや、今日は本番だよなぁ。どうしよう。
でもよく見たら腫れてない。うむむ。捻挫ではないわけだ。
とりあえず、演出助手に電話しました。


そして医者へ。でもこの手の医者には頻繁にはかからないので、まずどこへ行くべきか?となやむ。
ドイツでは水曜は医者はどこでも午前中だけの診療時間。もっとも本番は午後の公演で14時半開始なので、午前中の早いうちに手を打っておかないといけないことにはかわりがない。
 
前に「ランメルモールのルチア」の本番の時に足の小指を骨折してやっぱり足を引きずりながら歌ったことがありました。
その時は、一番近所の整形外科医に行きました。ゲラに始めてきた頃に肩の関節が壊れていたときにはここに通ったのでした。でも足の骨折の時は「うちにはレントゲンがないから他に行ってくれ」といわれ、大きな診療所を紹介されました。(・・・頻繁にかかってるのか?やっぱり?)
今日は医者を二件回っている時間はないので、最初からレントゲンのあるところへ行こうと、電話帳とインターネットで調べて、電話。朝8時間らの診療だったのですぐに出かけました。
ちゃんと歩けないのでタクシーを呼ぶ。たしか健康保険で払われるんじゃなかったか?と思って領収書もとっておく。どうだったっけな?
 
予約がないので2時間待ってやっと診療。あと2時間でもうアルテンブルクに出発する時間だっての。
見てもらうと、腫れていないから関節の炎症ではなさそうだとのこと。で、多分腱だろうという話だけど、さわってみて腱がいかれているというはっきりした兆候もないそうで・・・むむむ。
でも、テーピングをしてもらったら何とか歩けるようになった。それまでは痛くてかかとをつくことが出来なかったのですが、何とかかかとをつけるので、両足でたてる。本番は何とかなるだろう。でまた演出助手に電話。
あとは開演前にアナウンスをするかどうかがポイント。足を引きずるアルフォンゾ像が演出されたものだと思われた良くないと僕は言うのだけど、基本的にこのアナウンスはあまりよろしくない、という演出助手の意見でとりやめ。やっぱりお客さんがしらける部分はありますからね。
 
しかし原因がわからない。寝てるとき、妻の証言ではまっすぐ上を向いて微動だにせずに寝ていたと言うことなのになぁ・・・。
あり得るかな、と思うのは、最近少し運動を始めたんですね。まぁ運動という程じゃないけど、ダンベルにくわえて、ヒンズー・スクワットも始めて1週間くらい。
あと、僕は体がめちゃくちゃ硬いので、腱の問題はいつか出るかもなとは思っていたのです。普通の人がつらないような場面でよく首とかがつるのです。食事に気をつけて、これも少し良くなったんだけどね・・・。
 
そう、最近体調管理を少し厳密にやることにしました。「世にも美しいダイエット」をやっていることはいつかどこかに書いたけど、やっぱりゆるむときも多くて・・・。で、一昨日から昨日は断食をして、一度胃腸をリセットしました。だからか今日は体が結構軽い。
しかし本番の日に断食というのはあまり良いタイミングでもなかったかな。まぁ力まないで済むから良いか。
この食餌法ではエネルギーとしてバターとオイルと多量に摂取するのですが、断食中もバターはとりました。だからフラフラにはならないのです。
 
足の方はテーピングで何とかなりそうだし、演出家は僕のアルフォンゾが機敏すぎると思っている節があって「かえって良いんじゃない?」と思っている感じ。もちろんドン・アルフォンゾは老哲学者ですから、本来動きはそんなに素早くなくても良いはずですが、やっぱりキレのある動きが必要な役ではあって、さっと動けない、右足に体重をかけられないのはきつい。
前に日記にも書いたとおり(「コシ・ファン・トゥッテ」のプレミエ )この舞台は傾斜があるだけじゃなくて入り口がすべて半円で、足をかけられる場所が限られているので、足が普通でも転ぶ危険がかなりある。そういう意味ではそっちに結構集中力をとられた本番でした。
 
一晩寝て、今日はもう痛みはかなりひいています。
僕は高校のサッカー部で一度靱帯を伸ばしたことがあるのだけど、これは大変痛かったし、対して力もかけない動きで伸びちゃうことがあるんですね。治るのにもえらい時間がかかった。
で、今回も長くかかるかなぁと思っていたけど、今日の時点でこれなら意外に早く治るかも。来週からショスタコーヴィッチのオペレッタ「モスクワ、チェルヨムシュキ」の立ち稽古ですからね。

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