デュオ・リサイタル、終わりました

一昨日と昨日、2回のコンサートが終わりました。かなりこのコンサートに懸けていたものがあるので、終わってしまって、少しぼぉーっとしてしまいます。実はぼーっとしている暇は全然無くて、今日からはザルツブルク音楽祭の準備なんですけどね・・・。
 
今はちょっとしか書けませんが、また機会を改めてこのコンサートについては振り返るつもりです。
写真も今日は出せませんので、そちらもあらためてやります。


ネット上で、最後の曲の字幕に「誠の愛」という表現が使ってあることについて、少し話題になっている部分があるようで、これは嬉しいですね。
お察しの通り、「誠」の文字を入れたのは意識的です。他にもね、実は朗読部分に「新選組!」を意識しているところはちょこちょこあったりするんですが、これらはほとんど自己満足なので・・・ははは。
 
そう、昨日の打ち上げで・・・山本耕史さんは仕事の都合で来ていただけませんでしたが・・・話が出て僕がガーンとなってしまったのは「どうしてアンコールの前にちょっとしゃべったとき、台本をすごく思い入れ持って書いたとか、そういう話をしなかったの?」といわれて・・・。
そうじゃん。話せば良かったじゃんか。
アンケートでも、コンサートのあとの生の声でも「もうちょっと話をしてくれるかと思った」という意見があったんですけど、あのときは、なんだかやり遂げた!という感じで、早くアンコール歌わなくちゃ、みたいな気持ちになっていて、全然そんなこと思いつかなかったんですよ。
今回も、お配りしたプログラムは割と簡潔なものにしたので、朗読台本と字幕台本を僕が書いたことを入れていなかったんですよね。まぁそれは良いんだけど、僕がどうしても山本耕史さんにこの朗読をお願いしたかったこと、それで彼が読んでくれることをイメージして僕が一から書いた(もちろんドイツ語の原作から、という事ですが)台本であることは、エピソードとして紹介したら、きっと来てくださったお客様にも面白かったと思うんですよね・・・。
とっても残念。どうしてそんなことに気がつかなかったんだろう。もう、嫌になっちゃうよ。ほんと。
 
よく考えたら、この辺の段取りに関する攻防は他にもあってね、アンコールのこととか。
アンコールは僕らは2曲用意していたんですよ。両方ミュージカルね。1曲は実際に歌った「レ・ミゼラブル」のジャベールが歌う「Stars」、もう一つはメンケンの「美女と野獣」の野獣のナンバー「If I can’t lave her」です。
でも、1曲の方がまとまりが良いだろうという意見が大勢で、僕はかなり反抗したんだけど、押し切られてしまった。リハーサルの最後に舞台はじでこの押し問答をしていたので、山本さんはこれをみて大笑いしてましたね・・・。
でも、それでも拍手がやまなかったらやっぱり美女と野獣も歌っちゃおうかとか、そっちに気が行っていたかなぁ。
でも、やっぱり「アンコール、どうして一曲なんですかぁ?」みたいな声が11日のコンサートのあとで実際に会ったので、ヤマハホールでの追加公演では2曲歌うつもりだったんです。
そうしたらヤマハホールでは事情があって開演時間が遅れて、終わりも遅れて撤収の時間がきつくなってしまって、やっぱりアンコールの2曲目は歌えなかった・・・・。くやしいっ!
 
まぁこの辺は、些細と言えば些細なことですね。
とにかくこのコンサートに協力してくださった全ての皆さんに、心からのありがとうを申し上げたいです。
唐突なオファーに答えてくれた山本耕史さん、本当にありがとう!素晴らしい朗読は、僕が心に描いていたとおりのものでした。僕の台本のト書きはもちろんのこと、リズムを考えて書いた句読点も全部、思った通りに読んでくれました。稽古の中での要求にも柔軟に応えてくださって、本当にプロフェッショナルな仕事をする方です。
そして、やっぱりオーラがある人です。これだけの成功をされている方だから、当たり前かも知れないけど、彼の人間性が周りの人を魅了しているんだなぁということを目の当たりにしました。これからもどんどん素晴らしい舞台を見せて欲しいです。
 
そして、今回重要だったのは、照明効果と字幕です。字幕アルゴン社の中野さん、照明ASGの稲葉さん、突貫工事的な時間のなさの中で、素晴らしい舞台を作ってくださって、本当にありがとうございました。
歌曲の演奏会に字幕?という話もあったんですが、やっぱりやって良かった。さりげないというか、舞台の中にとけ込む感じで変な違和感のない字幕で、これは本当に素晴らしかった。歌曲の演奏会で、お客様が下を向いていない(つまり対訳を読んでいない)というのはほとんど僕は見たことが無く、お客様とアイコンタクト(?)が取れる中で歌曲を歌えるというのはとても嬉しいことでした。
そして照明も、やっぱりプロは違うなぁ、と思いました。ちょっとした機材と工夫で、あんなに幻想的な空間が出来るのかとびっくりしました。両方のホールの木の壁の形をうまく利用していらしたんだけど、木の色もきれいにでるし、明るさのコントラストによって、お客様の集中力がぐっと高まったのがわかりました。僕らの意見も柔軟に取り入れてくださって嬉しかったです。本当に素敵な空間を作っていただきました。
 
そして、今回の、リートのコンサートとしてはアブノーマルに大がかり(?)なこのコンサートをバッチリオーガナイズしてくださったセンターヴィレッジの中村さん!!!ありがとう!!!本当に中村さんなしでは実現不可能でした。というか、中村さんがこのリスクというか面倒な企画に首を縦に振ってくださった、のってくださった、そして割の合わない部分にも積極的に参加してくださって、本当にありがたかったです。中村さんが僕と容子さんを信頼して、期待してくださっているからこういう無茶も許してくれているんだ、というのがひしひしと、常に伝わってきていました。来年もよろしくお願いします〜。
 
そして、僕の愛するパートナー、容子さん!お疲れ様!素晴らしいピアノをありがとう〜。
やっぱり二つめの本番の方が二人とも落ち着いて、それでいてのって演奏できたように思います。カザルスで僕がとちりかけたときも瞬時にサポートしてくれたねー。
でも、やっぱり容子さんのピアノはすごい。どうしてあんなに小さい手(本当に小さいんですよ)からあんな音が出るんだろう?去年のヴォータンの別れのローゲのくだりはいつ録音を聴いても感動するけど、もうピアノの音を超えてます。オーケストラです。肉厚、肉汁たっぷりのジューシーな音です。あと、やっぱり、目指している音楽が多分僕らは同じなんだよね。歌いやすいこと、この上ないです。
さぁ、来年はまた別の世界ですね。よろしくお願いしますよ。あ、でもその前に日生劇場の女狐でお世話になります。
 
ちょっとしか書けないっていって、これだよ。今日はこれからお墓参り。父の一周忌ですから。

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