ドイツに戻ってきました。
いやいや、終わってしまいました。いつもの事だけど、終わってからドイツに帰るまでのドタバタはどうも苦手ですねー。今回は特に、シーズン中の帰国だったので、一刻も早く帰らないと劇場などの稽古が待っているわけで、何とか1日は猶予をもらってパッキングに当てましたが、28日に公演が終わって30日に飛んだわけです。
この写真をブログなどに載せている人がもうちらほらいるようですね。公演終了後に舞台で撮影させてもらいました。普通、舞台が終わったあとの撤収の手を止めてこんな写真を撮らせてくれるなんて事はあまりないのですが、快く撮らせてくださいました。本当にありがとうございました。
28日は最終日なので、開場前の客席や舞台を少し撮影していました。
僕は日生劇場でちゃんと公演で歌うのはこれが初めてです。文化庁のオペラ研修所にいたときに1年目の公演としてここで「フィガロの結婚」のアルマヴィーヴァ伯爵を歌ったことがありますが、一般公演ではありませんでした。でも、その前に観客としては何度もこの劇場に足を運び、多くの上演に触れています。
本当に素敵な劇場だと思います。劇場であることが「地に足が着いている」というのでしょうか。座付きの舞台スタッフがいて、特に今回は日生劇場の公演ですから、自分の劇場での公演であって、当たり前のようでいて、日本ではなかなか無いことなのですね。
なにより、この客席の内装もそうですが、劇場が自分の雰囲気を持っているというのが素敵だと思います。
これは舞台におかれている人形達を舞台奥から撮ったものです。この人形達、本当に愛らしかったですね。僕は自分が人形を持てなかったので・・・子狐を一瞬もちましたが、狐のキャラクターになったわけでなく、言ってみれば2人羽織で・・・ちょっと人形を持って演じた仲間に嫉妬しています。まぁ役がそうなんだから仕方ないな。
演出家としての高島さんとご一緒させていただいたのはこれが初めて。実は照明演出家としてはザルツブルク音楽祭で共演しています。今年の夏の「午後の曳航」では高島さんがライティングでの演出を担当されました。極端に時間がない中で効果的なステージングをしてくださって、批評の中でも高く評価されていました。高島さんの今回の演出では、森の中の輪廻や森番役の人間的な成長も含めて、着ぐるみオペラにとどまらない言ってみれば大人のオペラを目指していたと思いますが、これは成功していたと思いますがどうでしょうか?稽古場では、途中で高島さんのイメージの森番にうまく乗れなかった時期があったのですが、劇場に入ったあたりから僕の方でうまく流れがつかめるようになったのか、最終的には高島さんのイメージにかなり近づけたと思います。やっぱり劇場にはいると嬉しくなるのか、俄然元気が出てきました。
学校公演が全部で3回あったわけですが、結構高校生達は集中して聞いていたように思いました。思わぬところで思わぬ反応があったりもしましたが。
うちの息子も二回見に来ました。一般公演を見に来たあと、どうしてももう一度みたい!というので、学校公演の方も見せました。すごく楽しんだようです。
これは楽屋で、僕の帽子をかぶっているところですが・・・全く話と関係ありませんね、はい。
ゲラに戻って一夜明けて、僕はこのあと11時からトスカの音楽稽古があるのですが(トホホ)朝ご飯を食べたあとに健登が急に「むーかし、むかしー」と森番の2幕の歌を歌い出したのでビックリして「え、何、健登、それパパの歌ってた歌?」と聞いたら、「そうだよ。パパあのとき飲んでたの、ジュース?」と言うのでちゃんと場面も覚えているらしい。「それから校長先生が杖持って『フラフラするぞ』って歌ってたんだよね」と、ちゃんとそのメロディーで歌うし、ちょっと驚いたね、これは。僕がこんなに勉強するのに時間がかかったっちゅーのに。2回で覚えたんかい。
これは子狐のみんなにもらった色紙です。みんな可愛かったねー。僕に対するメッセージが意外に大人っぽくてビックリしました。
広上さんとご一緒するのも初めてでした。本当にご一緒させていただいて幸せでした。これは楽屋に来ていた別の組のキャストも一緒に一枚パチリ。
最終日は両組の公演があったので、初めて両組のキャストが一緒に打ち上げをすることが出来ました。オーガナイズをしてくださった大槻くん、吉川健ちゃん、ありがとうね!楽しかったねー。
大所帯なので、みんなとしゃべることは出来ませんでしたが、楽しい時間を過ごしました。今回のプロダクションは僕より若い出演者の人がすごく多くて、これで結構びびった訳ですが・・・まぁ何とか頑張りました。
写真はうちの組のその若い皆さんと記念撮影。うーん、小森さん、いかんですな。鼻の下が伸びてます・・・。