今日もまた稽古が3コマだった。今回は前もって、例外的に頼む、といわれていたので仕方ないですが。しかしその内容が結構きつかったな、また。朝10時からオケ合わせ1回目、15時からオケ合わせ2回目、18時半から立ち稽古。
立ち稽古の方は、今日からやっとシャルローネが稽古に参加するので、彼のシーンをまとめて稽古する必要があり、一番関係のあるスカルピアがいないとやはり稽古はしにくいという事で頼まれました。
オケ合わせの方は、なかなか良い感じでした。テノールのリカルドくん、素晴らしいです。
オケの編成が大きくて、合唱も一緒だとオケの稽古場では狭すぎるので、キャストは上のキャットウォークみたいなところに追いやられてしまった。
なので、合唱のみんながよく見える位置でした。カヴァラドッシのリカルド君は合唱とのちゃんとした稽古はほとんど初めてだと思う・・・あまり合唱と絡みがないから立ち稽古では会わないのでしょう・・・ので、彼の声を聴いて、合唱のみんなはすごくにこにこして来ちゃってね。それ見ていて微笑ましかったですよ。ああいうイタリアのレガートが歌えてしかも全音域むら無くでるテノール、うちの劇場にはあまり来ないもんな。彼の呼吸のコントロールは本当にすごいと思う。「妙なる調和」の最後、「Tosca, sei tu」を一息で歌うんだよね〜。なかなか出来る人いないんじゃないだろうか。ガラコンでも「星は光りぬ」で、「えーっ」と思うような長いフレージングのところが一箇所あったなぁ。
リカルド君、前に書いたかもしれないけど、日系二世です。僕は三世かと思っていたんだけど、ブラジル国籍のハーフでした。だから、今回のトスカの主役3人のうち、半分は日本人なわけです。ははは。
立ち稽古ですが、シャルローネは予定されていた人が、12月の「モスクワ、モスクワ」の本番で足を折ってしまって全治2ヶ月となり、降板。で、決まったのがライプツィヒ音大の学生らしいです。演出のオルダーグ氏は先シーズンまではライプツィヒ音大の教授だったので、彼が見つけてきたのでしょう。
そして、稽古予定表を見てあれれ、と思っていたんだけど、スポレッタがもう一人加わることに。僕はその前に衣装合わせでスポレッタがダブルキャストになるらしいことは聞いていたんだけど。他のプロダクション・・・例えばウンディーネ・・・で歌っているテノールが急遽スポレッタとして参加です。
・・・これはね、どこまで書いて良いかわからないけど、日本語のサイトだし良いだろう・・・もともとキャスティングされているスポレッタが、かなりまずい感じなんですよね。立ち稽古が進んできてもまだ暗譜していないし、芝居の段取りも覚えないし・・・とまぁいろいろ。で、トップの方も結構不満を隠していなかったんだけど、彼は降ろされるんじゃないかなぁ・・・・というのはもちろん僕の個人的な想像ですけど。
でも、こういうの、日本だとあんまり無いですよね。本人が知らない間に同じ役をやる人がもう一人稽古場に来ちゃう、なんていうシチュエーション。
前に、ルチアをやったとき二人いたエドガルドのうちの一人が、やっぱりかなりまずい感じで、これ、一晩声が持たないんじゃ?と思っていたら、本当に持たなくて、大変後味の悪い本番があり、彼はそれっきりクビ。でも稽古の時点でわりと見えていた結果だった。でも当時の演出家の話だと、本番を歌わせずに降ろすと、もし訴えられた場合に労働裁判でまず勝ち目がないそうです。・・・色々難しい訳ね。
主役3人のうちの半分が日本人で、それがドイツの歌劇場で助演されるって面白いですねぇ?!!
お送りした直野資さんのNHKニューイヤーオペラコンサートのスカルピアの歌う「テ・デウム」ご覧になりました???
素晴らしかった!実際、NHKホールで生で聴いてあの大きなパイプオルガンも使って演奏していたのですごく聴き応えがありました。
小森さんならそれに負けず劣らずのいつもながらの役柄に対する素晴らしいアプローチと輝ける声で立派にスカルピア演じてくださるものと信じております。
今回は観に行けなくて本当にごめんなさい!!
でもスカルピアデビューのご成功お祈りしております。
>えーちゃんさん
こんにちは。はい、見せていただきました。ありがとうございました!素晴らしかったですね。
僕が歌うと、直野さんのように練れた感じというか、老獪な感じはとても出せないのですが、僕なりの、年齢相応のスカルピアをやろうと思っています。