今日はひさしぶりに鍋をやりました。僕は実は、今まであまり鍋が好きな方ではなくて、鍋がとても好きな嫁さんには悲しい思いをさせてきたような気もするのですが、ここのところ人が変わったように鍋が好きになってきて、「こういうのって食事と言うだけじゃなくて一家団欒だよなぁ」なんてしみじみ思っております。
朗報というのは、上の写真の緑茶です。
Alnaturaという、有機農業による原材料を中心に使用した、比較的安価で大変質の高い健康食品メーカーと言っていいと思うのですが、このAlnaturaの緑茶を最近買ってみたのです。今まで、ドイツで購入した緑茶はどれもとても緑茶とはいえない代物で、やはり日本から買ってきた緑茶じゃないと日本人の口には合わない、という感じだったのですが、この緑茶は本当においしい!ビックリしました。
senchaって書いてありますけど、他にもこれから出てくるのかなぁ。楽しみです。
ドイツでは結構緑茶は好んで飲まれていると思いますが、ほとんどのものは、香りを付けたり、他の味付けがしてあったりで、ストレートな緑茶が多く飲まれているわけではないです。砂糖入れて飲んだりしてるしね。うげげ。それも、他の味付けというのが、日本人の感覚からするとちょっと突拍子もないものが多い。ショウガとか、レモンとか、バナナ、イチゴ、メロン・・・そんなのです。まぁ我々の知っている緑茶とは別物だと思えば、結構悪くないものも中にはあるんですが・・・。
さて、おいしかったのは、お茶もおいしかったけど、鍋もうまかった。ルーコラが意外にうまい。春菊みたいなもんですね。そして、この石垣島ラー油!結構、評判になっている調味料という話ですが、僕は我が家に持ち込まれるまでは全然知らなかった。でも、これ、本当にうまいですね。これなしでは鍋が食べられなくなる、ってのも困ったものだと思うけど。柚子コショウもうまいけど、比べると必ずこのラー油に軍配が上がる・・・うまいっ!おいしいもの大好きの森川さんが我が家にもたらしてくれました。ありがとう〜!
話は戻ってAlnaturaですが、単なるBio(オーガニック)原料でなくて、最近はずいぶんバイオ・ダイナミック農業による原料を作った製品を展開しています。前にちょっと日記に書いたね。この緑茶を買ったときに、バイオ・ダイナミック農業に関する小冊子があったのを見つけたのでもらってきました。
バイオ・ダイナミック農業というのは、人智学の中の一つの分野です。教育とか神秘学・霊学みたいなところが有名な感じがしますけど、農業の部分はとても実際に社会にはっきりした形で貢献している、人智学の重要分野だと思います。
これ、パンフレットの表紙と裏表紙ですけど、dmというロゴがありますよね。これがこのAlnatura製品を置いているドラッグ・ストアのチェーン店なのですが、このdm(ドロゲリー・マルクト〜Drogerie Marktの略でdm。ドイツ人ってこういう略をするの、本当に好きね)の経営者がアントロポゾーフ(人智学徒)だと言うことで、Alnaturaのバイオ・ダイナミック農業路線も支持しているんでしょうね。
この左側のページにシュタイナーの写真も載っていますね。この冊子にある説明でもありますが、バイオ・ダイナミック農業はなにか?という事を一言で言うと、「バイオ・ダイナミック農業の基本的な考えは、自然と宇宙の調和のなかで働くこと」と言うことになります。
次の写真はおじさんがオケの水をかき回しているところですが、ここにあるシュタイナーの言葉。
「Es handelt sich bei der Auffindung von geisteswissenschaftlichen Methoden auch für die Landwirtschaft darum, die Natur und die Wirkung des Geistes in der Natur im Großen anzuschauern…」
「農業に関しても、霊学的な方法論を見つけ出すことにおいては、自然と霊の作用を大きな視野で見ることが重要である」
この写真でおじさんがかき回している水が、バイオ・ダイナミック農業でのとても大切な肥料に当たるもので、この水に様々な「プレパラート」をまぜて、一定の規則で攪拌して、宇宙の力を水の中に呼び込む、という作業をします。実に一時間の間混ぜ続けるのですが、それが右回しにして漏斗のような形がきれいに出たところで、その流れを壊して、次は左回し・・・という具合に繰り返します。この漏斗の形は太陽系の図と呼応していて、それをカオスにする瞬間に惑星系のエネルギーがこの水の中に入り込むと。
またプレパラートも普通の科学では理解し得ないようなやり方で作られていて、牛の角の中に糞を入れて一冬のあいだ土の中に埋めておいたもの、水晶を入れて一夏のあいだ土の中に埋めておいたものなどが使われたりします。僕はこのバイオ・ダイナミック農業の分野は決して詳しくはないので、これ以上のことはもっと調べないとわからないんだけど、何故牛の角かというと、牛は食べたものを口に戻して反芻し、胃も四つあるといいますよね。消化することに大きなエネルギーをかける動物の力が角に集約されているという考えな様です。
こういうまか不思議といってもおかしくないような方法論を持った農業が、国からの援助も得て発達してきたというのは、ドイツという国の面白いところだと思います。
僕、最近また、シュタイナーの美学の本を読み直しているんですが、もう4回目くらいなのに、また新しい面を発見するようなところがあって、本当に面白いです。(最初の3回で理解できていないだけだろう、という話しもありますが・・・)
やっぱり秀逸なのはシュタイナーが27歳のときの講演「美学の新しい父としてのゲーテ」ですが、読めば読むほど、「芸術美学」という分野はもっと注目されるべきだと思います。僕は演奏家であって学者ではないわけですが、芸術の実践の現場にいる人間がこれにもっと触れる機会があったらいいのに、と切実に思い始めています。
・・・おいしい話のはずだったのに、何だかまじめな話になっちゃったな。続きはまた今度。
うふふ。やっぱり、「石ラーもどき研究会」にも参加、しない(笑)?
小森さん、御無沙汰しています。お元気そうで何よりです。
我が家でも石垣ラー油やコーレーグースは必需品です。島とうがらしは、沖縄で買い付けると黄色やオレンジのものもあって、自家製で泡盛に漬けると、食卓の彩りが増します。今度ドイツに持って行きましょうか?
>ぴかままさん
うーん。面白そうだけど、あまり「研究」の力になれない気がする・・・。研究成果の消化には参加できると思います!
>英楽館主さん
こんにちは。「ご無沙汰しています」という事だったので、どなただろうかとしばらく考えてしまいましたが・・・もし僕の想像が間違っていなければ、あのメキシカン、この間家族で行きましたよ。
コーレーグースというのは知らなかったですが、これまたおいしそうですね。
ドイツではイタリア産の唐辛子は入手できますか?昨年、フィレンツェで八百屋を物色していたら、沖縄の島トウガラシと似た、小粒で辛味の強いものを売っていたので、買って帰りました。
コーレーグースは、豚肉料理、特に炒め物によく合います。
はじめまして。ダイナミック農法関連でヒットしました。この農業に幾らか触れて、実際に効果があるならば、効率も上がり価格も安くなるべきと思われます。その時点で、初めてこのお呪いの効能を考えても良いのでは無いかと考えています。
>pfaelzerweinさん
はじめまして。
そうですね。バイオ・ダイナミック農法がどの程度普及しているのか、という事などは僕にはよくわからないのですが、必ずしも資本主義のなかで大事にされて「勝ち上がっていく」メソッドなのかはちょっと疑問があります。
「お呪い」というのはちょっとよくわからないですが・・・。