チャイコフスキー、モモタロウ、などなど


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8月5日の日曜日、日生劇場の音楽ドラマ「チャイコフスキー」に行ってきました。前にも書いたと思いますが、僕はこのプロダクションの訳詩を担当したのです。僕は稽古には立ち会っていないので、どんな仕上がりになっているのかは全く知らない状態で劇場に足を運びましたが、素晴らしい舞台でした。チャイコフスキー役の宮本益光さんをはじめとして、皆さん素晴らしい舞台を作ってくださいました。


僕は訳詩をこういう形で仕事でするのは初めてでした。歌ってくださったお二人のおかげですが、日本語らしい響きになっていて、とても嬉しかったです。昨年11月の日生劇場公演「利口な女狐の物語」では宮本益光さんの訳詩で僕が歌い、今回は僕の訳詩で宮本さんが歌い、ちょうど立場が入れ替わったわけで、こういうの面白いですね。宮本さんはもういくつもオペラの訳詩をやっていらして、僕の後輩ではあるけれどこの分野では大先輩と言うわけで、彼の歌いぶりを聞いていると、日本語への配慮が普通の歌手とは違って、やはり日本語訳詩と言うものを包括的に見ているから出来ることなのだな、と思わされました。

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さて、その日生劇場の公演を見た後は、渋谷のNHKへ。服部良一のオペラ「モモタロウ」の収録です。僕はおじいさん役ですが、おばあさん役は芸大の同期の小川明子さん。雉を歌っている松村英行さんも同期で、彼とは大学院のオペラでドン・ジョヴァンニをダブルキャストで歌った中です。久しぶりの再会でした。猿の大槻さんも上記の「利口な女狐の物語」で僕(森番)の飼い犬ラパークだったし、犬の高橋淳さんは去年の夏のザルツブルク音楽祭で僕(首領)がそそのかして義理の父親を殺させるのぼる君の役だったし、またこういうところで再会できると嬉しいです。東京でパーマネントに仕事をしていれば珍しいことでもないんでしょうけど、僕の場合は日本での仕事が限られているので、こういう急に入った仕事で同僚に再会できるのはとても嬉しいのです。
・・・そういえば、二期会のブログにモモタロウの事が載っていました。リンクはこちら。

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ミーハーな僕は、モモタロウ役の岸田敏志さんとツーショット。あれっとおもったら、「きみの朝」の頃とはファーストネームの字が違うんですね。気さくな方で「僕らはあんまり楽譜なんて書かないし、見て歌わないから・・・勉強になりました」なんておっしゃってました。モモタロウは高くて大変だと言うことでしたが、若々しくて素敵なモモタロウを歌い演じてらっしゃいましたよ。

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同じ景に出番はなかった、鬼の大王は鈴木綜馬さん。ぼくはこの方のラウル(オペラ座の怪人)を聞いてすごく感激したのです。最初のキャストだったと思うなぁ。市村さんの怪人と芥川さん(当時の芸名)のラウルで、スーパーコンビでした。
 
このモモタロウ、もともと失われていた楽譜を再発見して数年前の岡山での初演につなげた仕掛け人は、このサイトの管理人でもある服部朋子さん。服部良一さんのお孫さんです。僕とはもう学生時代からのつきあいなのですが、彼女も今回はインタービューと言う形で出演するようです。
放送は8月15日の10時から、NHK・FMです。お聞き逃しの無いよう!
プレマップと言う、番組宣伝番組のカメラが収録スタジオに入っていたので、僕が映っていたかはわかりませんが、モモタロウ自体はラジオの番組でも、番宣はテレビで見られるかも。これは8月10日以降に流れるようです。
今年は服部良一生誕100周年なので、いろいろ関係行事があります。11月には東京フォーラムで親子三代のコンサート、8月11日のNHK「思い出のメロディー」でも何分か特集されるようです、服部克久さんと服部隆之さんの親子が出演。CDの企画もあるようです。これはまだ未発表だそうです。
くわしくは服部朋子さんがやっている服部良一さんのサイトをご覧ください。