Belgersheinでのリーダーアーベント


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昨日は、ライプツィヒ近郊の村Belgersheinベルガースハインでリーダーアーベントの本番でした。ゲラのフォワイエ・コンサートと同じ、つまり東京でのデュオ・リサイタルとほぼ同じプログラムでした。



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あれから約3ヶ月経つわけですね。時間が経つのは早いです。この間までDVDの字幕入れの作業とかもしていたし、このコンサートは僕にとってもいろいろな意味で印象的な出来事であったので3ヶ月も前という感じがしないという事もありますが。
でも、ちゃんと時間は経っているわけで、その間に僕は例えばせっせとヴォータンなど重いレパートリー向けに声を改造してきたから、こういうリートのプログラム、ぱっと切り替えて歌うのは難しいわけです。前の日記にも書いたかな。で、切り替えるための練習もした。
 
結果的には、やはり一つ一つの曲が、より深く体に入っているという事はありました。それと、やっぱり違うのは、ここがドイツという事です。言葉間違えたらしっかりわかるし・・・とくに今回はサロンだから・・・逆にコミカルな曲の反応はすごくダイレクトに来る。作品21のAch, weh mir unglückhaftem Mannとかそういうのは、結構大笑いしていたな。
あと、今回驚いたのは子供が多かった。主催者のベンデルさん、奥さんのクリスティーンさんはフランス人だそうですがオペラ好き。この村に住んでいる彼女のアイディアでこのお城の中でコンサートをやる事になった。彼女が友達を招いたプライベートのパーティーみたいなもんですが、結構お子さん連れでいらした人が多かったわけですね。8人くらいいたかな。健登くらいかもう少し大きいくらい。この子達が、飽きもしないで熱心に聴いていてね。これは驚いた。まぁ言葉がわかるからだろうけど。終わったらこの子達全員が一列に並んで「サインちょうだい!」ってね。かわいかったですよ。
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漢字でサインしてあげたら男の子が一人えらく日本語に興味持っちゃって、ひらがなを全部書いてくれというので書いてやって、そしたら後のパーティーの間に何度も僕のところに来るんですよ。「これはなんて読むの」とかね。だから彼の名前をカタカナで書いてあげたり、五十音の表とアルファベットの対照を書き込んであげたりしたら大喜び。「うちの息子が君くらい日本語に熱心だったらね・・・」といったら同じテーブルにいたみんなが大笑いしてましたよ。
いや、健登は最近はまぁちゃんとやってるとは思うけど、公文の日本語を始めてしばらくして、チェロとか他の習い事も増えたせいもあるけど、一度すっかりやる気を無くしたんですよね。ヴァルドルフ的にはせっかく小学校でアルファベットのフォルメンを注意深く始めたところだからごちゃごちゃやらせたくないのもあるけど、いろいろ考えた揚げ句にやっぱり日本語も並行してやっとります。今日もやっとった。
話それました。その子達と一緒にとったのが最初の写真。
 
コンサートの評判は大変良くて、皆さん感激してくれました。結構僕のオペラ公演を見てくれている人が多かったみたいで「本当は若いんですね!」といっている人もいた。まぁバリトンですからね。都合、老け役が多くなります。でも何歳に見えるかと聞いたら34とか言われましたよ。アジア人は若めに見られるんですよね。まぁ幼く見えるとも言えるか。良いのか悪いのかわかりませんけども。「なんであなたはそんなにやせるの?」と聞いてきた人もいた。たしかに夏から比べると結構体重も落としてますが、良くわかるもんだな、そんなの。
多くの人が言っていた事が「あなたがこのR.シュトラウスの歌曲を心から愛しているというのが良くわかった」というような事でした。これはとっても嬉しいですね。
おもろかったのは、作品21の最後「女性達はしばしば敬虔で物静かに」という曲で、最初の2フレーズが「女性達はいつも敬虔で物静かだ、僕ら男性がわきまえなく騒ぐ時も」と歌うと、結構数人の女性があからさまに誇らしげな顔をしたんですよね。はっきりしてるなぁ。
小さい部屋だったからか・・・・お客さんは40人くらいだったかな・・・距離も近くて、しっかりお客さんにかけて歌うと、結構(特に女性は)目をそらされちゃうんで、直接語りかけにくかったです。やっぱり恥ずかしいですかね、歌手にまっすぐ見られて歌われると。面白いのは男性は目をそらさないでじーっと見るので見つめあう感じになる事で、それは良いんだけど、ご存知の通りラブソングばっかりのプログラムなので、男性の僕が男性客をじーっと見つめて歌うのも違和感がありまして・・・。

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