ワルキューレの稽古は進んでいます

日記を更新できないでいましたが、今日は少し家にいる時間が出来たので、久しぶりの日記です。
ワルキューレの稽古は順調に進んでいます。演出家のジョエル・ローウェルス。彼の演出、僕はとても良いと思います。稽古も楽しいです。もちろん役のプレッシャーが大きいですから、存分に楽しめているとは言い難いですが、この作品の再現創造に関われる喜びをひしひしと感じながら稽古に励んでいます。


コンセプトについてはあまり前もって書かない方が良いでしょうかね。舞台を見てのお楽しみ、の方がいいかも知れませんよね。なにしろ、分かりやすい、という点では、この公演のシチュエーションにマッチしたコンセプトだと思います。
 
ジョエル、彼はベルギー人なんだけれど、お母さんが日本人のハーフです。でも日本語は8歳でやめてしまったとか。母国語はフランス語、他に英語、ドイツ語などなどを操ります。英語の発音の訛りで、母国語はフランス語かイタリア語だな、と思っていたんですけど、やっぱりそうだったね。
僕や、ブリュンヒルデの横山恵子さん、フリッカの小山由美さんとはドイツ語の方が早いので、ドイツ語でやってくれます。
 
必ずしも作品をスタート地点にしない演出家も多い中、彼は作品からスタートしている。そういう意味で、再現創造の担い手として、とても同感できます。
僕はこの役、ヴォータンに関しては、まだ自分がこの役を演じるに値する表現者なのだという確信が持てずに稽古場にはいった状態で・・・もちろん全力は尽くしていますが。こういうのってあんまりHPとかに書くべき事柄じゃないかも知れませんがね。でも、この間2幕のモノローグを全てやった手応えで、実感を得ました。僕でもヴォータンが出来るんだな、と。いやもちろんね、これから何かうまくいかない事があるかも知れないし、小森にはヴォータンは荷が勝っていると、本番をご覧になって感じる方もいらっしゃるかも知れないけど、これはあくまで僕自身の実感の話ですから。
やっぱり今までヴォータンを歌い演じてきた、素晴らしい先輩たちの事を考えると、「はい。嬉しいです。やらせていただきます」と簡単に言える役じゃないんですよね。まぁとにかく、一歩前進です。この一歩はすごく大きいです。

“ワルキューレの稽古は進んでいます” への2件の返信

  1. ますます公演が楽しみになってきました。きっとオーソドックスでわかりやすい演出なのでしょうね。小森さんは謙遜しておられますが、このオペラでヴォータンは主役ですし気合いの入り方はものすごいものとお察しします。聴くほうも最低限の勉強は必要と思い、暮れから正月にかけてどっぷりカイルベルトの指環ライブにはまりました。繰り返し再生して、これは 奇跡的な超名演だと確信しました。ヴァルナイ、ホッター、ら最上の歌手が集いほぼ全員絶頂期で好調、音質も良好です。そしてやはりワーグナーの魅力は低音・低声にありと思いました。ホッターはもちろんですが、グラインドルの歌うハーゲンの素晴らしさ・・。あまりにもドラマテイックでうっとりしました。

  2. >川口市のわぐねりあんさん
     
    書き込みをありがとうございました。レスが遅くてすいません。
    オーソドックスといえばオーソドックスですが、常套ではないと思います。昨日やっと3幕をやって見通しが立ちました。
    カイルベルト版、素晴らしいんでしょうね。僕はその録音は聴いていませんが。そういう奇跡的な名演と比べられては・・・みたいなところもありますが、僕らのできる最高の演奏をしたいと思っています。

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