クレズニックの主張

一昨日の「第六の時」アルテンブルクでのプレミエに際して、クレズニックの発言がDPA(ドイツ通信社)とのインタビューという形で新聞に出ていました。

これは今世間を騒がせているニュースの一つ、アメリカ兵のイラクの収容所での虐待問題に関することです。
ちょうど、時期を同じくしてアルテンブルクでプレミエを迎えたこの「第六の時」は、題材がまさに「拷問」なのです。カフカの「ある流刑地の話」という短編が原作ですが、これは、その流刑地で、拷問マシンに取り憑かれた将校の話なのですね。そして、タイトルの「第六の時」というのは、長い時間をかけて行われるこの拷問が始まって6時間経った...

“クレズニックの主張” の続きを読む

「第六の時」アルテンブルクのプレミエ

昨日、ドイツ中のオペラ批評家から絶賛を浴びたこの作品の、アルテンブルクへ場所を移してのプレミエがありました。火を使ったり、普段は上演中に使うものではない防火シャッターを下ろしたり、大きな台を宙づりにしたすぐ下に歌手がつられたりと、いろいろ仕掛けが多い舞台ですが、舞台の上は事故がなく行きました。ところが・・・。

この日は、ゲラのプレミエを振ったGMDフェルツがミュンヘンの仕事へ行っていて、どうしても振れない。作曲家ロートマンは指揮者でもあり、実際ゲラの劇場の常任指揮者のオーディションも受けた人です。通りませんでしたが。
でも、この作品は極端に降るのが難しい作品。...

“「第六の時」アルテンブルクのプレミエ” の続きを読む

ランチ!

おとといの日記にも書いた、マットゥスさん。3日間あるコンサートの2日目の昼は時間があるとのことで、ランチをご一緒させてもらいました。うちの嫁さんも一緒。コンサート当日からマットゥス夫人もゲラにいらしたので、夫人に健登の顔を見せたいところでしたが、幼稚園に行っているので無理。

マットゥス夫人はご自身も元歌手で、いまは作曲家でありラインスベルク音楽祭の主催者であるご主人のサポートをされています。ラインスベルク音楽祭が毎年送り出している新人歌手たちのその後のことを気にかけてくださり、僕のゲラの本番もたびたび聴きに来てくださっています。

昨日のコンサートはゲネ...

“ランチ!” の続きを読む

マットゥスさんと再会

映画化されたことでも知られている、ミヒャエル・エンデの小説「終わりのない物語」(映画のタイトルはネバー・エンディング・ストーリー)のオペラ版が登場しました。

ここゲラから70kmくらいのヴァイマール市で初演されて、大成功を納めたようです。作曲は、僕も親しくさせていただいているジークフリート・マットゥス氏。いままでも数々のオペラを含む作品を発表し、どれもが高い評価を得ているすばらしい作曲家であり、誰もが知る音楽界の重鎮です。
写真はそのヴァイマールのオペラハウスのHPから。

マットゥス氏は、ベルリン郊外のラインスベルク城で毎年夏に行われる、若きオペ...

“マットゥスさんと再会” の続きを読む

ゲラも春

今日は日曜日。本番もないので、午前中は健登とお出かけ。

すぐ隣のキュッヘンガルテンという公園にあるオランジェリーで、午前中にブラス4重奏の演奏会があるというので、最近トロンボーンが大好きな健登は大変興味を持ち、行ってみることにしました。

・・・このオランジェリーというのは、辞書で引くと、17〜18世紀の庭園でのオレンジなどの栽培のための温室というのが本来の機能な様です。いわゆる「お城」の一部であることが多くて、ベルリン近郊ポツダムのサンスーシー城では、わりと温室っぽい建物だったような気もしますが(もうかなり昔に行ったのではっきり覚えていない)、ゲラのこ...

“ゲラも春” の続きを読む

四月の天気(続き)

そう、健登は昨日、公園で遊んでいて目にゴミが入ってしゃかりきに擦ってしまったものだから、角膜に傷が付いちゃったみたい。昨日の夕方からは、両眼を動かないように押さえて置いたんだけど、子どもだからか、少し慣れると結構目が見えなくても上手に家の中を歩くのね。びっくりしちゃう。
またね、その事実を利用するんだ。夕食でサラダを残しているから食べるように即すと「でも健登はおめめが見えないからサラダが食べられないんだよ」だと。まったく。
今日は朝に眼科に行って、薬を入れてもらいました。明日には多分普通に戻るとのこと。僕は角膜変性症という遺伝性の病気を持っているので、健登にこれが遺伝...

“四月の天気(続き)” の続きを読む

四月の天気

ドイツの四月の天気は、はっきり言って、変です。5分とか10分のサイクルで、吹雪のような勢いのすごい雪と晴天が入れ替わる、という事がしばしばあります。

ベルリンにいた頃にこれにでっくわした時は、本当にびっくりして、思わずビデオを撮ってしまいました。
この四月は一度ならず、もう三度ぐらいこの天気が出現しております。しかも雪ではなく、毎回雹(ひょう)が降るのです。

写真は晴天の様子と、降った雹をアップで撮ったものです。雹だから、また音がすごいんだ。一体何が起きたのかと思いますよ。

復活祭が近付いて、町はすっかりイースター気分です。日本では...

“四月の天気” の続きを読む

また工作

フィガロの稽古も佳境に入っております・・・といいたいところですが、僕も含めてたくさん病欠者がでて、とうとう演出家まで風邪をひいてしまった。いまだに伯爵夫人、ケルビーノ、バジリオは完全に健康とは言えない状態。
そんなわけで稽古も進まず、もともとどちらかといえば稽古のすすみが早いとはいえないブリューア...

“また工作” の続きを読む

新年あけましておめでとうございます

皆さん、明けましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願いいたします。
今日からの1年が、皆さんにとって健康で実り多き1年になりますようにお祈りいたします。

今年はまず3月に「フィガロの結婚」の伯爵を歌い、シーズン終わりには来シーズンの最初の新演出演目「椿姫」の稽古がもう始まります。その後日本に飛んで、東京室内歌劇場のオペラ「インテルメッツォ」のロベルト・シュトルヒ役があり、そしてなんと言っても師匠のDavid Harperをピアノに迎えてのソロ・リサイタルが7月31日に千駄ヶ谷の津田ホールであります。
皆さんに是非是非聞いていただきたいです。<... “新年あけましておめでとうございます” の続きを読む