リゴレットの批評

テューリンゲン州とザクセン州のあわせて4紙に批評が載りました。

そのうちライプツィヒ・フォルクスツァイトゥングにはカラー写真が載ったので、ここに載せてみます。この写真は、第2幕の僕のアリアの場面ですね。宮廷の佞臣たちが杖で僕を突いているわけです。佞臣達に囲まれて、つえで突かれながら「娘を返せ!」と叫んでいるところです。
ここの場面は結構運動量的にハードでした。アリアの前奏までは、...

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プレミエ無事に終了

リゴレットのプレミエ(初日)、お陰様で無事に終えることが出来ました。

チケットの売れ行きは大変良いと聞いていましたが、やはり満員。プレミエというのは独特の盛り上がりがあるものですね。客席の盛り上がりもさることながら、舞台裏の盛り上がりも大変なものでした。

日本でもオペラの本番の日に、お世話になったスタッフや共演者の皆さんにプレゼントや差し入れをすることは良くありましたが、ドイツではプ...

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L.v.Beethoven ”An die ferne Geliebte”

ベートーヴェン作曲/歌曲集「遙かなる恋人に寄せて」
この曲を歌うことは長い間僕の夢であり憧れでした。というのも大変に難しい曲で、ドイツ人も敬遠しているほどの作品なのです。
7つの曲(詩の構成としては6曲ですが、音楽的な構造からすると7曲といって差し支えないと思います)からなっている歌曲集ですが、その7つの曲が途切れることなく続くという、大変大胆な構成をもっている曲で、15分ほど、長い間奏も挟まずに歌い続けることになるのです。シューベルト以前にこんな作品が存在していたことにまず驚きを禁じ得ません。ワーグナーがずーっと後でオペラにおいて行ったような、曲と曲とが有機的につながり、どんどん展開していきます。

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アルテンブルクで「ドアの開いた日

今日はアルテンブルクで「ドアの開いた日」でした。ん?「ドアを開けてる日」だっけ?今日は稽古場でなくて舞台での催しなのですが、リゴレットの1幕のモノローグか仮面舞踏会の1幕のアリアという話で舞台に出ていったら、オペラディレクターが「ちょっと悪いんだけどやっぱりリゴレットの2幕のアリアを歌ってくれない?」ってマイクを通して言われちゃったら、嫌とはいえないですよね。まぁ歌ったんですけど。こういう催しにお客さんはちゃんと集まるんですね。それにびっくりしました。舞台機構や楽屋とかメイク室なんかを楽しそうに見て回っていました。やはりこんな田舎の町だけど、底辺が広いという事でしょうか。
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「ドアを開けてる日」

実は今日の午前中に小さな本番がありました。どうも家の契約書の話に気が行くんだけどねー。Tag der offenen Tuerという企画で、直訳すると「ドアを開けてる日」だねぇ。つまり劇場の中の稽古場や舞台の機構、練習の様子などを無料で見せて、劇場を身近に感じてもらおうという企画です。どこの劇場でもやっていますね、これは。僕らは、オペラの立ち稽古を見せるという企画を立てて、椿姫のヴィオレッタとジェルモンの2重唱をやったんですが、いろいろ企画の方に手違いがあったりして、もともと15分と限られている時間が8分くらいになってしまい、一度通して演出家が何か喋り始めるともう終わり。演出家は...

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ガラコンの批評

劇場に行ってみたら、一昨日のガラコンサートの新聞批評のコピーが貼ってありました。
僕も新聞を買って読んでみましたが、非常に好意的な内容でした。ちょっと直訳っぽいんですけど訳してみると、「日本人のバリトン、Teruhiko Komoriがリゴレットのアリアでしたようにゲラの聴衆の心を奪った者はかつていなかった」という感じでした。2日ともコンサートの後にレセプションがあったのですが、ずいぶん色々な人に話しかけられました。熱心なファンの人はやはりこういうガラコンサートには必ず来ているわけですね。

劇場の衣装の人に相談したら、シャツの洗濯はやってくれるそうです。よかっ...

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アルテンブルクでもう一度ガラコン

今日はアルテンブルクでもう一度ガラコンサート。

アルテンブルクの劇場は5年前に改装してあるのでとてもきれい。サイズはゲラより少し小さいですが。音響はアルテンブルクの方が良かったなぁ。

でも客の反応はゲラのほうがいいかなぁと思っていたら、休憩中に司会のマティアスが言うには・・・

5年前に合併されたのはお話ししたと思いますが、それ以前にゲラにいた歌手とアルテンブルクにいた歌手が、ひとつのチームになったわけですね。それで、今回インテンダント、オペラディレクターなど首脳が全員変わった。こういうときはだいたいそうなることが多いのですが、首脳が違えば...

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ガラ・コン当日

今日はシーズン開幕のガラコンサートです!

ここの専属歌手のマティアス・ヴィンターがプログラミングと司会を担当して、色々と工夫を凝らしたプログラムです。僕はアリアを2曲、というか1曲と4分の1歌うのですが、それ以外にインタビューを受け、ギャグまでやらにゃいかんのです。これは歌うよりずっと緊張するな。そのギャグってのは、ドイツの銀行のコマーシャルをパロディにしたものらしいのですが、半年日本にいた僕はそのコマーシャル自体を見ていないので・・・。話を聞いたあとはテレビでそのコマーシャルを見ようと努力したのですが、コマーシャルはいつどのチャンネルで見られるのか分かりませんもん...

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G. Bizet “Carmen” Escamillo

友人としてまた人生の先輩としてつきあいは長くなってきたのに、ちっとも共演の機会がなかった指揮者の金井誠氏と初めてオペラで共演できました。演出はオルフェオで新国立劇場にデビューを飾ったばかりの岩田達宗氏。初日のカルメンが文化庁オペラ研修所の同期生で、「同じ釜の飯を食った」腰越満美さん。

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O.Nicolai Die lustige Weiber von Windsor

(ウィンザーの陽気な女房達) フルート氏役
このオペラはそれほど有名なオペラとはいえないと思います。台詞を挟んで進行するもので、僕が歌ったのは日本語ででした。1995年11月の藤沢市民オペラです。このときのアンナ役は、今や超有名な佐藤美枝子さん。僕の奥さんの役のフルート夫人は針生美智子さん。それぞれがこの年の春に行われた藤沢オペラコンクールの第三位と第一位だったのです。ちなみに僕は第二位でこのオペラにキャスティングされました。藤沢市民オペラというのは僕にとって特別な場所ですが、これについては他で書いているので割愛。

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