「フィレンツェの悲劇」プレミエを終えて

一昨日の金曜日に、「フィレンツェの悲劇」、「ジャンニ・スキッキ」のプレミエがありました。何度か書いたとおり、今回のプロダクションは演出家の都合で稽古が大変少なくて(立ち稽古5回!)大変だったのですが、最終的には良い舞台を作れたと思います。
かなり暴力的な演出なので、お客様はちょっとびっくりしたようでした。テノールは流血するし、ソプラノはビンでバリトンの頭割るし。この作品はあまり知られていないので、来る前にこういうものだと知ってくる人はほとんどいないでしょうしね。
一転してジャンニ・スキッキは大爆笑を誘っていました。結構、これはドイツ人が好きそうなブラックジョークという...

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Simone “Eine florentinische Tragödie “

A. v. Zemlinsky
フィレンツェの悲劇(ツェムリンスキー)シモーネ役
 一昨日、「フィレンツェの悲劇」のプレミエを終えました。「無事に終えた」以上の結果を出したと言っていいのでしょう。評判も大変良かったし、この作品に知り合えたこと、これを演奏することが出来たことを大変嬉しく思います。それにこの無茶苦茶なスケジュールのなかで良くやったと自分を誉めてやりたいです。日記などにも書いたのですが、立ち稽古はたったの5回。この難しい作品でね。
しかもさらに驚きなのは、この5回の立ち稽古を終える時点で、指揮者との音楽稽古が一度もなかったのです。彼のスケジュールのせいもあるし、僕が日本で「ナクソス島のアリアドネ」だけじゃなくて「アラベッラ」まで歌ってきたせいもあります。でももちろんそれだけじゃありません。今の劇場の音楽スタッフの状況がひどいのです。

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指揮者、公演途中で帰る

昨日、アルテンブルクでの「ランメルモールのルチア」2公演目がありました。とても天気の良い日曜日の午後でしたが、とんでもないことが起こりました。指揮者が休憩で職場放棄して帰ってしまったのです。

この公演は、来シーズンから空きの出来る常任指揮者のポストのオーディションをかねていました。いままでもかなりの回数の指揮者のオーディションをしてきたのですが、まだ確定しておらず、やっと3人まで候補者が絞り込まれたところでした。僕もGMDのガブリエル・フェルツに提案したのですが、やはりオーディションだけでなく公演を指揮ししてもらわないと、劇場の常任指揮者としての適正ははっきりわから...

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「ランメルモールのルチア」アルテンブルクのプレミエ

一昨日、「ランメルモールのルチア」のアルテンブルクでのプレミエがありました。

土曜から、日本からのお客さんが来ておりました。その前はソプラノの森川栄子さんが1週間来てくれていたんですけどね。
今回のお客さんは、僕が何度も一緒に仕事をして、日本に滞在しているときは家族ぐるみでお世話になってしまう指揮者の方です。二人生徒さんを連れて、イタリア、オーストリア、ドイツ音楽の旅であります。

一昨日の「ランメルモールのルチア」のプレミエにあわせてゲラに来てくれました。エンリーコはまぁ大事な役ではあるけど、リゴレットやオランダ人なんかを見てもらいたかったのはあ...

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ジョイントリサイタル報告

お陰様で、無事にジョイントリサイタルを終えることが出来ました。足を運んで下さった皆様、ありがとうございました。

とにかく大変だったのは確かです。まず日程が大変だった。アラベッラの稽古が前日まであって、しかも荒立ちの時期だったので、あの難しいオペラを頭にたたき込む時期ということであり、これとリサイタルの時期が重なったのはかなりつらかった。
それから単に体力的な意味でもきつかったですね。ナクソスの本番が終わってから...

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ナクソスの初日


無事に終わりました。昨日ですが。
今日はB組の本番を見てきました。その本番の前にアラベッラの立ち稽古があって新国立劇場に行ったので、そのまま見てきたわけです。
うちの組とずいぶん感じが違うところも多かったんですが、そういう意味でも面白かったです。

写真は、演出のハンス=ペーター・レーマン教授とのツーショット。
芝居の中でカットしたアリアドネの楽譜をとってレーマン教授が一芝居してくれております。

また...

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「死の都市」本番

久しぶりに「死の都市」の本番がありました。今シーズン最初の「死の都市」公演なのでオーケストラとピアノでの通し稽古が一度ずつありました。長い作品だし、声楽的にというより音楽的に難しいので、稽古があるのは良いことです。僕は日曜に「さまよえるオランダ人」のプレミエを終えたばかりだから、結構切り替えが大変だったけど。

お客さんの入りは今ひとつでしたが、カーテンコールはブラボーの嵐で、盛り上がりました。最近思うんですが、お客さんの入りが悪い時ほど客席の盛り上がりは増すようです。大入りの時は拍手も何だか控えめというか、場合によっては拍手をして良いのかいけないのか迷っているような...

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「さまよえるオランダ人」プレミエ

いやぁ。やっと終わりました。「さまよえるオランダ人」プレミエ。大変好評のうちに終えることが出来ました。
僕としては、前に書いたかも知れないけれど、僕の声には本来ちょっと重すぎる役なんですね。僕は決してバスバリトンではないですから。もっと高い声なんです。
まぁでも、デヴィッド(ロンドンにいる僕の先生)も、問題ないと言ってくれたし、僕としてもドイツオペラの役柄に関しては発声的な迷いがないので、やることにしたわけですが。そういう意味では、ドイツ語でのイタリアオペラ上演に比べて迷いはないし、やるべき事ははっきりしているし、演出家のやりたいこともドイツオペラとドイツの演出家...

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ファン感謝デー

最新情報のスケジュールのところには「ドアを開けている日」と書いてありますが、よく考えてみたらこの「ファン感謝デー」という言い方の方がよっぽどはまるので、これからこう呼ぶことにいたしましょう。
ドイツ語でTag der offenen Tuerと呼ぶので、まぁ直訳すればドアの開いた日となるわけです。

昨日はゲラ、今日はアルテンブルクで行われました。劇場の、普段お客様が足を踏み入れないところにも入ってもらって、劇場で...

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